鬼隠し編:ヒロイン語りなど

鬼隠し編」を終了した時点で、キャラクターのうち何人かについては、立ち位置を考えてみました。一応、「犯人である場合」「犯人でない場合」の両方の側面で見てはいますが、推理については全くアテにならないことだけは予めお断りしておきます。

竜宮レナについて

…正直、いきなりわからんのですが。確かに「鬼隠し編」では、途中からおかしくなってしまい、終盤では斧を持って圭一を追いかけて来る恐ろしい追跡者になってしまいます。ですが、それは「レナの恐怖心を煽る何かを、結果として圭一が引き出してしまった」ことによるのではないかと思うんですね。
レナはオヤシロさまを盲信しています。信じる信じないとかじゃなく「いる」との発言もありましたし、ことオヤシロさまへの恐怖は人一倍でしょう。圭一は知らぬ間に、レナを刺激してしまい、そこから圭一は被害妄想にとらわれ、やがて食い違いの敵対関係が成立したものと思います。
このシナリオでのレナは「圭一を殺す」ために来たわけではなくて、本当に錯乱していたのではないかとも思えるのです。或いは、オヤシロさまを安易に引き出したことに対する罰を与えようと、意図的に来た可能性もなくはないのですが…。
特に、悟史と同じく金属バットを持ってクラスメイトを威嚇し始めたのが効果的だったのではないでしょうか。オヤシロさまの祟りで消えた悟史と、同じ行動。それはレナに対して非常に大きなインパクトを与えているはずです。だから消すのか、と言われると微妙ですけどね。
そして、大石さんが調査した茨城でのレナの事件は、嘘や誇張が含まれているものだと思われ、鵜呑みにすべきではないと思います。これを鵜呑みにした圭一はレナを恐れ、敵だと認識してしまったのですが…。
あと、過去の事件への関連はないのではないかと思っています。そもそもレナは雛見沢にいなかったという事実もあるので、考えにくいんですよね。

園崎魅音について

怪しい人の筆頭としても挙げられる魅音ですが、このシナリオでは微妙だと思います。ラストで圭一に注射しようとしていましたが、それ以外には直接の害は…あ、おはぎがありますが、アレは圭一の被害妄想のようにも感じられるので。
あとはTIPSでの哄笑、圭一が「祟り」か「鬼隠し」に遭うことを楽しんでいた一瞬があったのかもしれませんが、それを自分で実行するまでには至らなかった気がします。
昼食を大石さんと取った時、魅音に昼食について尋ねられますが、これは家の力によるものではないかと。叔父の家業手伝いに行くという名目で、その道のりのパトロールは可能ですし、バイト先に息の掛かった人間がいれば魅音の耳に届くはずです。これを指して「おじさんに、わからないことはないからね」と言われていますが、要は「魅音の目」はかなり広大なのだろうと。
目で思い出しましたが、レナと魅音で目の色が変わる描写の理由は全く別ではないかと思っています。レナのは極度の恐怖から来る開き直りで、魅音のは…大胆に言ってしまえば圭一の被害妄想という気がします。とはいえ、底の見えない人物だけに、すっと人を殺めてしまいそうな感じはありますが。
そして、過去の事件との関連性ですが。大石さんからは、ダム工事現場の監督とやり合いになり、魅音が補導されたと言われています。しかし、だから魅音が監督をバラしたかと言うとそれは違うと思っているんですよね。魅音は知っていたけれども実行犯ではない、みたいな気がします。

北条沙都子について

このシナリオでは情報が少なすぎてわかりませんが、個人的にはシロだと思っています。一方的な被害者というか。
少なくとも、このシナリオでは事件との関連性があまり見えてきません。考えられるとすれば…ラストで自宅から逃げ出した圭一が山の中を走って行き、そこに沙都子トラップが大量に仕掛けられていたために身体に打撲や傷を負った、くらいでしょうか。しかしそれだけだと、圭一が喉を引っ掻いて死んだ説明になっておらず、わからないのです。
過去の事件との関連性は、2年目の事件で両親を川に落としたのが沙都子かもしれない、という可能性があります。近くの木の枝に何かを引っ掛けて、それを取って欲しいと両親にねだり、老朽化した柵にもたれかけさせた…ということならば。或いは別の手段もあるかもしれませんが、要は「両親を柵にもたれかけさせれば」良いので、例えば「川底にオヤシロさまが見える」という嘘で両親を動転させた…とかもアリかもしれません。
但し、これだと両親を殺す動機が良くわかりません。よほど両親が悪人で、沙都子を苛めに苛め抜いた悪鬼ならばハメてやった理由もわからなくはないのですが…。
総合的に見て、最も犯人から遠い気がしています。少なくとも、今回の事件では直接的・間接的に関わっていると見るのは難しいです。

古手梨花について

3年目の事件で両親を失ってしまった梨花ですが、今回の事件には少し関与しているような気がします。というのは、ある日に圭一が自宅に帰ると、後ろに何者かの気配がする描写がありますが、アレが梨花ではないかと思っているのです。
あの日、圭一は既に危機感を持っており、部活も休んでいます。沙都子は何かを言おうとして口をつぐんでしまったのですが、それを元気付けようと、圭一に理由を聞くために梨花が自宅までトコトコついてきたかもしれない、と。この場合、圭一を殺すつもりではなくて、ただ話をしようとしていたのだが、圭一が冗談ではない殺気を放っていたので話にならず、見つからないように逃げ帰ってきたのではないかと思うのです。
梨花は神事の巫女も務める村のカリスマであり、自分が獲物を直接狩る必要はまったくないものと思われます。梨花に圭一を殺す直接の動機はなく、誰かに「説得」されて首を縦に振った、という感じかもしれません。
しかし、オヤシロさまの祟りになぞらえて殺人を執り行う巫女、という姿と梨花はどうにも一致しません。腹黒いところは見え隠れするものの、今回のシナリオでは微妙ですね。
過去の事件については…最も情報が少ないように思えます。ただ、梨花が殺したい人はいないような気がしますし、梨花の両親が死んだ時に沙都子はまだ叔父と叔母の家にいたので、同居のために両親が邪魔、みたいな理由は考えにくいです。
ただ、そう思わせる立場を築いておいて、本当に殺したい奴を一撃必殺した、という可能性も匂わせるダークホースです。