彼氏彼女の事情:21巻

最終巻! ということで、LaLa生き残り組として長期連載していたカレカノも遂に終わりです。お疲れ様でした、と津田先生に言いたいですね。
さて内容ですが、前巻*1でシリアス方面のお話は片付いたので、ラストではゆったりと高校生活の締めが語られます。この巻の最初のお話もそうなんですが、浅葉の出番がとても多いですね。雪乃・有馬の二人と同じくらい何度も登場します。これまでが有馬のお話だったこともあり、何でもない学園生活が描かれることが少なかったから目立ちませんでしたが、サブキャラ陣では頭一つ抜けて強いキャラだったなと。
浅葉が大学に合格して、1ページ丸々で「パァァァ」って感じの喜びを表現していたのは、この巻の見所の一つです。
そして、単行本の半分近くをかけて語られる後日談「これほど倖せな人生はない」もなかなか興味深いですね。あれから16年後の4月、有馬は凶弾に倒れ浅葉と二人で夫婦生活を…とか言っていたら、後ろから「生きてる」という怒号が。結局皆、なーんも変わりませんでしたよー、ということで決着です。
基本的にはコメディタッチで、雪乃と有馬の娘(咲良)が高校入学、その双子の弟(蘇芳と藍)が年子…という、宮沢家と近い家族構成になりました。娘は聡明で双子の弟たちは天真爛漫と、DNAの住み分けがきっちりと分かれた兄弟になりましたが、仲良くやっているようです。ここからまた一つのお話を始められそうな感じですね。
で、ここでも浅葉なのですが…。咲良がこの前日、浅葉に恋心を告白するシーンがあり、確かにそれは絵面的にも非常に美しいシーンなのです。しかし、その時の浅葉の反応が、明らかに大ショックで面白いです。特に、背景に宇宙のトーンが使われているので、私と妹さんの間ではこのシーンを「宇宙困る」と密かに呼んでいます。
無理矢理締めに入りますが、苦しい話だったからこそ、このラストが映えたのだと思います。いい作品でした。

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