「月光」 / LUDWIG VAN BEETHOVEN

ピアノで有名な人を一人挙げぃ、と言えば多くの人がショパン、リストのどちらかの名を出すのではないかと。実際、私もこの両者が好きですね。しかしピアノソナタと言えば、個人的にはベートーヴェンかな…とも思う今日この頃です。
ということで今回は、ベートーヴェンの全32作のピアノソナタの中から知名度の高い『月光』をご紹介します。因みに正式名称は「ピアノソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2」らしいのですが、これで曲がわかる人はキチンとピアノを嗜んでいる人だと思います。…私は無理でした。
サブタイトルの『月光』はベートーヴェンの死後についた名前らしく、元は『夜のソナタ』と呼ばれていたそうです。弟子のジュリエッタ・グィッチャルディに捧げられたそうで。ベートーヴェンって弟子の女性にしょっちゅう曲を贈っていた印象があります。『エリーゼのために』とかもそうですが。
『月光』は3楽章で構成されており、有名なのは静かな第1楽章のアダージョ・ソステヌート。曲調は切なく物悲しい、夜の静けさを表しています。或いは、そんな静けさの中で女性を想っている情景なのかもしれません。
第2楽章のアレグレットは、コルダの日常BGMとしても使われています。跳ねる感じが軽やかな4分の3拍子で、ワルツと見せかけて実はスケルツォらしいです…紛らわしい! でもベートーヴェンスケルツォを好んで使ったらしいので、他にもあるのでしょう。
第3楽章のプレスト・アジタートは出だしから疾走しまくりの激しい曲です。こうやって叩きつける情熱的な演奏というのは本来リストの分野だと思うのですが、これも良いです。うちの親はベートーヴェンの作品では激しい曲調が好きらしく、『月光』でもここが一番好みとのこと。
全体的の様子を簡単に表すと「散歩→スキップ→全力疾走」という感じでしょうか。終局に向けて走っていくドラマが好きなら、ハマると思いますよ。