Piano Hits 〜Maurizio Baglini Piano Recital 2005〜
クラシックのコンサートは長い、という印象をもたれがちですが、それは恐らくオーケストラなどの場合で、楽器1台では数時間に及ぶ演奏会は難しいです。今日は2時間未満のコンパクトなコンサートに行ってきたんですよ。値段も異常に安かった、ということもあって。
ピアノ演奏はマウリツィオ・バリーニという人だったのですが、私は良く知らず…。ツアー記などを書いたブログがあるそうなのですが(下記参照)。
さて、以下のセットリストをざっと眺めても、知らない曲を探すほうが難しいです。というのも、コンセプトが「クラシックへの間口を広げる、初心者向けコンサート」のようだったので。クラシックをあまり知らない人でも、半分くらいは耳にしているのではないかと。
気になった部分をピックアップすると…「月光」は全3楽章を通しで演奏したのですが、第2楽章のスケルツォで「おや?」と思いました。全体的にゆったりと弾く人が多いパートですが、静と動を使い分けるような弾き方だったので。因みに1と3はそれぞれセオリーどおりでした。
ショパンの「革命のエチュード」は一番良かった部分ですね〜。この頃には、このマウリツィオ・バリーニという人が「たたきつける激情の解釈」に強いことが薄々感じられたので、衝動的な激しさを持ったこの曲が実に合ったなと。
激しい路線で行くなら、「エチュード6番」も負けていません。これはパガニーニ作曲の「24のカプリース」の中から第24番をピアノにアレンジしたものなのですが、イントロが全く同じなので、両者を知っているとより楽しめます。折りしも、昨日「24のカプリース」のCDを買ったばかりだったので、よりはっきりとわかりました。
これらの激しい曲は素晴らしかったのですが、逆に大人しい曲では真価を発揮できなかった感が。特に「乙女の祈り」は原曲を大きく外す解釈で、終わってから連れがキレ気味になったほど。
それでも、基本的な曲が多かったですし、コルダで使われている曲が満載だったので、タイムリーで良かったと思います。個人的には値段分くらいは楽しめました。