交響曲第9番「合唱」 / LUDWIG VAN BEETHOVEN

のだめを観ていると、急にピアノソナタ交響曲が聴きたくなります。私が真っ先に思い浮かび、両方を満たすのはベートーヴェンでしょうか。今回はベートーヴェンの作品の中から、非常に有名な『交響曲第9番ニ短調Op.125「合唱」』をご紹介します。
第九と言えば、この時期に演奏される機会も増えてきますね。毎年楽しみにしている人もいるかもしれません。ひょっとしたら、日本人にとって最も馴染み深い交響曲なのではないかとも思えてきます。
ベートーヴェンの楽曲は、苦しみの中から安らぎを見出そうと努力している様子が思い浮かぶものが多いです。肖像画などに見られるいかつい顔つきからは想像できないようなロマンティックな曲を作ったかと思えば、今度は鬣が逆立っているような激しい曲を作ったりもします。
曲全体で見ると、有名なのは何と言っても第4楽章の終結合唱ですね。しかし、長い交響曲の魅力はここだけではありません。
第1楽章は2つの主題が交互に演奏されることで進みますが、第1主題はCM等でも使われたことがあるので、出だしを聴くと思い出す人も多いかと思います。私は全体を通してもこの第1楽章が好きですね。力強い第1主題と、柔らかい第2主題の対比が良いです。
第2楽章は、ティンパニの強烈な音が目立ちます。また第1楽章と少し違うところは、弦楽器よりも木管楽器が多用されることです。力強いパートは割と似ていますが、雰囲気が少し違うといったニュアンスです。
第3楽章は、これまでと雰囲気を変えて、非常にゆったりした内容に仕上がっています。木管楽器をメインに据えて、その周囲をヴァイオリンが静かに彩るような感じです。
そして最も長い第4楽章、これは第1から第3楽章の集大成であり、全ての主題が盛り込まれた内容です。しかし、そうした序盤を経て「友よ、このような音ではなく、もっと楽しい喜びの歌を歌おう」という独唱が入り、ここからようやく有名な「喜びの歌」に繋がっていくのです。物語を意識しつつ聴くと、やっぱり感動的です。
ベートーヴェンの楽曲の集大成とも言われる第九、一度は全楽章を通して聴いてみると、なかなか面白いですよ。トータルで70分程度もありますが。