親愛なる友へ / 植松伸夫

まあ、いささか反則気味ではあるのですが、思い入れという点ではこの曲――正確にはCDですが――も忘れられません。家庭用ゲーム機のロールプレイングゲームとしては当時、ドラクエと人気を二分する存在であり、現在でもその子孫が頑張っているFINAL FANTASY。その5作目で一番好きな曲『親愛なる友へ』をご紹介します。
当時はSFCの音源が立派に思えたものですが、今聴くとやはり音色はショボいですね…。しかし、この曲は何と言っても構成が良いのです。音質なんか関係なく。
ガットギターとフルートがいれば演奏できるはずで、しかもフルートは半分近く出番がありません。しかし、そのシンプルさが良いんですよ。ゴージャスなネオクラとかで疲れた耳にも適しています。
ゲーム中ではエピローグで使われる曲です。嵐の後の静けさというか、実にドラマチックな使われ方をしていますね。ゲームミュージックとは、楽曲の素晴らしさよりも、作品の中でのロール(役割)が重視される場合が多く、その観点でもこの曲は優れていると思います。
誰かが「結婚式で友人に演奏してもらいたい曲」として挙げていたように記憶しているのですが、本当にそんな感じです。