こどものおもちゃ:全10巻

少し前に妹さんに借りて読んだのですが、最初に思っていたイメージとはかなり違いましたね。もっと重い話だったなと。
著:小花美穂、りぼんで連載されていた作品で、作品紹介には、

いじめ、先生いびりと大騒ぎの6年3組。アイドルの紗南ちゃんは悪の根源・羽山をこらしめるために、立ち上がった!! ドキドキ・スクール・ウォーズ

と書かれています。確かに最初のほうは、授業妨害など男子が若い女性の先生をいじめているシーンが多く見られるのですが、羽山は別にそれを主導したわけでもなかったりと、事情は変わって行きます。
こどものおもちゃ」というタイトルは、作中でも紗南が出演しているテレビ番組の名前です。授業風景のようなセットで、司会者が子供たちに話しかけるのですが、紗南におちょくられている様子は正に「こどものおもちゃ」といったところ。紗南は物語の最後までこの番組への想いはあるようで。
羽山は性格がひねくれているとはいえ、世間に興味がなくて冷めているような感じのひね方なんですね。後に空手を始めたり、家族との会話の中で誤解を解いたりと、人間として成長していく様子が描かれます。多分、登場人物の中で最も変化があるのが羽山じゃないかと。
主人公の紗南も、設定面では負けていませんね。この辺は盛大にネタバレするので一応伏せておくのですが…恋愛で傷ついたり立ち直ったりの繰り返しは楽しいです。この辺でお気に入りのシーンとしては、紗南がドラマの収録のために暫く学校から離れ、その間に人間関係ががらりと変わるところです。いや、中学生くらいの好きとか嫌いとかはいいですね。青くて、一生懸命です。
因みに、第二次性徴期の恋愛でもっと強烈なのは「水色時代」と「あずきちゃん」だと思います。両者とも、アニメでは結構ソフトに補正が掛けられていた印象ですが、まあ読めばわかるかと。