金色のコルダ:4巻

この巻は一冊の半分くらいが、柚木サマにスポットを当てた内容になっていますね。ゲームのほうでもサプライズを巻き起こした彼ですが、その様子をまた違った形で描いています。
最初は、華道の家元である実家の話があり、これが彼自身を縛り付けているという予想をさせます。厳しい命令にも柔らかく対応する様子は、負の感情を鬱積させているのではないかと。横顔の愁いが、特にそう感じさせますね。
そしてゲーム本編にも近いイベントが出てくるのですが「無理しないで」。コミックだと、火原先輩の兄の誕生日プレゼントを日・火・木の3人で見に行って、その帰りに日野ちゃんが家まで送ってもらった時に告げられています。…いや、私もゲームの時はこれが後の伏線になるとは思ってなかったんですが。
翌日の昼休み、練習をしようと屋上に出たところで柚木サマに会う日野ちゃん。「がんばろうと思う」と宣言したところで、何と柚木サマが豹変します。前日の「無理しないで」は「辞退しろ」という意味だったと。これはショッキングなイベントですよね〜。日野ちゃんも頭がぐらぐらになって翌日を迎えます。
ところが、休み時間にばったり会ったのはいつもの柚木サマ。コンクールのアンケートを手伝って欲しいと頼まれ、正門近くで生徒たちにアンケートの記入を呼びかけることになりました。しかし昨日の豹変が忘れられず、疑心暗鬼になってしまいます。
そんなアンケートの途中で、転んで怪我をしてしまう日野ちゃん。柚木サマは素早く傷の手当てをし、二人きりの保健室で再び辞退の話をします。当然ながら日野ちゃんの答えはNoなのですが、柚木サマは言葉で容赦なく追い詰めてきます。この時の「騙されるお前らだって悪い」という台詞は、コミック版で屈指の名台詞だと思います。
…もっとも、その後に取り残されたあとの日野ちゃんの表情が、一戦終えた後のような放心ぶりなのもヤバイです。あーあー、ボロボロにされちゃった…みたいな。
ここで「柚木編」は区切りで、第2セレクション準備のお話に移行していくのですが、ここは月森の悩みがメインです。私は割とさらっと読み進めてしまいましたが、このヘタレっぽい月森の可愛さにはやられた人が意外と多そうです。非常に受け受けしいので。
あと出番が少なかった志水くん。「いつもは何をしてるの?」という話題になった時は非常に輝いていました。「起きる→チェロを弾く→寝る」みたいなルーチンワークに生きる志水くんですが、「本当に好きなんだね、チェロ」と、日野ちゃんが素直な感想を言った時の笑顔が! あと第17楽章の扉もカワイイです。ヤバイ。
何だかんだでセレクション当日になり、恒例のお着替えタイムが。土浦と少し言葉を交わし、前回よりも緊張をほぐした後で「第2セレクション開始!」というところで引きです。
巻末にはオマケ漫画も収録。冬海ちゃんが超COOOOOOOOOLなのでお楽しみに(?)。