銀盤カレイドスコープ:7巻

著:海原零ライトノベルで、フィギュアスケートを題材にした作品です。
フィギュアスケートはルールも複雑で、初心者がとっつきにくい…という考えの方が多いと思います。実際、私もこれを読み始めるまでは全然わからなかったくちです。
しかし、専門用語が並ぶ文章でありながら、スケーティングのシーンは躍動感に溢れてワクワクするので、私はこの作品を高く評価します。
7巻では、主人公の桜野タズサと、そのライバルの一人であるガブリーことガブリエラ・パピィ・ポッゾが親愛を深めるのが半分、もう半分はタズサが世界最強の女子スケーターであるリア・ガーネット・ジュイティエフに勝つための猛特訓をする部分です。
ガブリーはいつも優しい笑みを浮かべ、演技中か否かに関わらず聖女のような性格で知られるスケーターですが、タズサとのプライベート・フォンでは「リアに勝ちたい」という本心をそっと告げます。それがキッカケの一つとなり、タズサは「リアには絶対勝てない」という思い込みを捨てようと思い立つのです。
リアもスケートを離れれば穏やかな少女で、特にタズサは大切な友人だと思っているのですが、ことスケートとなれば豹変し、無敵の女王になります。
この巻の見所は、リア×タズサの百合展開ですかね。全然気にしないリアと、意識しまくりのタズサのコントラストが何だか綺麗で、見てはいけないのに目が離せない、みたいな状態です。
また、メインストーリーであるタズサの猛特訓も。強気に生きてきたタズサの心が一旦は折れるところに、辛さがにじみ出ています。