鉄子の旅:全6巻

著:菊池直恵のコミックです。月刊IKKIで連載されていた作品ですね。
内容としては、トラベルライターであり鉄道マニアでもある横見浩彦の案内で、菊池直恵と編集者が非常識と思える鉄道の旅を行う実録漫画になっています。
どの辺が非常識だと思ったかと言うと、たとえば第1話では、千葉県の木更津〜上総亀山間を走る「久留里線」の全駅で改札をくぐり、駅舎を眺めるという内容。1時間に1本しか電車が来ないので、2駅進んで1駅戻る、なんて動きもザラです。正に鉄道マニアらしい旅。
しかし、実録であるが故の楽しみもあり、マイペース過ぎる横見さん、不条理を叫ぶ菊池さん…という構図が面白すぎます。特に、最初は昼食を必ず駅弁にする約束をしたのに、段々と関係なくなっていくところなど。
横見さんが特に気合を入れて紹介するのは、廃線間際の過疎った路線です。鉄道は良いものなのに、段々と古いものが失われてゆく…。だから本作で紹介して、少しでも皆に触れて欲しいという思いがあるようです。
また「レールクイーン」をはじめとした、様々なゲストも見所です。グラビアアイドルも結構来てますよ〜。ただ、私としては高橋留美子が1ページだけ「めぞん一刻」の響子さんと横見さんのツーショットを描いていたのが衝撃でした*1
作品としては実に面白いと思います。ただ、描いてる方は実際にこの旅をしているのだから、大変ですよね…。よくもまあ、こんな連載が5年も続いたものだと感心します。
時間があれば路線くらいはチャレンジしてみようかな、と思うくらいには、鉄道での旅に興味がわく内容になっていると思います。埼玉にも様々な路線があるのだし、せっかくだから何か日頃使わない路線にも乗ってみようかな、と。
因みに、私が乗ったことがある路線で最も印象に残っているのは、宮城旅行をした時の単線鉄道。路線名は忘れてしまいましたが。ダメじゃん。

*1:高橋留美子は鉄道の旅に参加していません。編集者が参加しました。