トミー(映画)

もう2年くらい前に録画したと思われる作品です。THE WHOが発表した同名のアルバムを元にした映画で、様々なメディアミックスのうちの一つです。
「ロック・オペラ」と呼ばれたアルバムは1969年に発売しましたが、ケン・ラッセル監督により映画化されたのは1975年のこと。どちらにせよ、私が生まれる前のことではありますが。
主人公のトミー(青年期)を、ザ・フーのヴォーカリストロジャー・ダルトリーが演じたことや、エルトン・ジョンエリック・クラプトンといったゲストがいたこともあり、話題になったようです。
お話の内容としては、幼い頃に「見る・聞く・話す」ことができなくなったトミーが、青年になってからピンボールにその才能を見出し、人々を熱狂させていくものです。
その結末は決して明るいものではありませんが、全編を通じて人間の愚かさが表現されているというか、見ていて思い当たる部分もあると思いました。トミーを軸とした、嫉妬や欲望が見えてくるんですよね。
元のアルバムがロック・オペラと呼ばれていたのを採用し、この映画でも登場人物は台詞を一切喋りません。歌でお話を進めていくミュージカル形式です。これはなかなか面白いですよね。私はこういう映画作品を観るのは初めてですが、本作から影響を受けた作品もあるかもしれません。
ともあれ、これまでアルバムを聴いて大体のイメージしかなかった「トミー」が、映像を見たことで固まってきた感じがします。ブリティッシュ・ロックのファンなら見所はたくさんありますね。
余談ですが、志村けんのギャグの一つ「変なおじさん」は、本作に登場するアーニイおじさんをモデルにしているという説があります。見た目は確かにそうっぽいですね。