ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン〜「熱狂の日」音楽祭2008

2005年から始まった、ゴールデンウィークを通じて東京で行われる音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」。毎年足を運んでいるのですが、今年も5月4日に参加してきました。尚、今年のテーマは「シューベルトとウィーン」。
主な開催場所は東京国際フォーラムなのですが、周辺の各施設でもそれぞれ何らかの演奏や講演会が開かれています。
以下、見たものをつらつらと。長いです。

アウラ

1階の地上広場「ヨーゼフ広場」にて、あずまや風の建物で行われる無料コンサートを観てきました。残念ながら最後の曲しか聴けませんでしたが…。
アウラは女性5人によるア・カペラグループでした。「田園」については、ドイツ語の詩をつけて歌っており、有名なフレーズだったので聴きやすかったです。

No.313

上海交響楽団による演奏がメインで、小曽根真、児玉麻里・桃姉妹によるトリプルピアノも楽しめるプログラムでした。曲数は2曲ですが、演奏時間も長く濃い内容です。
まずはピアノ協奏曲。原曲は失われており、メンデルスゾーン主催のコンサートでリストと共演したことで有名になったそうです。ピアニストの技術力が試される一曲に仕上がっており、どこかプレッシャーを感じさせるのが心地よくもあります。
次はグレイト。シューベルト交響曲では比較的有名な第8番、同じハ長調の第6番と区別するための副題だそうです。この名に偽りなく、ダイナミズムに溢れた勇ましい演奏が魅力です。私はシューベルト交響曲をろくに聴いてきませんでしたが、これを機に手を出してみようかと思いました。

No.314

「ウィーンの舞踏会」と題し、舞曲を中心に据えたプログラムです。
まずはウェーベルン、ヘラーの編曲による、シューベルト作曲の舞曲を連続で。原曲はピアノ中心だったものを、管弦楽に編曲しており、ゆったりとした演奏でリラックスしながら聴けました。原曲も聴いてみたいですね。
そして、ウィンナ・ワルツの花形である「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス2世。個々の演奏時間は非常に短いですが、どれも良くまとまっており、優雅で華やかな作品ばかり。意識して聴いたことのない作曲家ですが、たまには良いものだと思いました。
最後はブラームス本人が編曲した3曲。クラシックファンの人でも「ブラームスが特に好き」という人は渋好みだと思う今日この頃ですが、この作品も物悲しさの中にある美しさを見つけられた人こそ、特に楽しめると思います。

高橋多佳子

2つの演奏を観て、食事をしてから再度ヨーゼフ広場に戻ってきました。何故なら、高橋多佳子さんの演奏があるとタイムテーブルに記述があったからです。
演奏は4曲で、最初はショパンがウィーンでの成功のキッカケとなったワルツ第1番…との説明でしたが、「華麗なる大円舞曲」のことでしょうか。ウィーンの華やかな音楽性はショパンの楽曲にはあまりないということもあり、これが該当するかと思われます。
次はシューベルトの作品の中でも耳馴染みの一曲。「楽興の時」は第3番が圧倒的に有名なので、これを取っ掛かりに他の1〜6番を聴いてみるのも良いかなと思いました。
次の2曲は全く聴いたことがなく、予備知識なしで臨みましたがなかなか面白かったです。リスト編曲の作品は技巧だけとは限らないのが面白いですね。
(公式:http://www.lfj.jp/lfj_2008/