AMAKUSA1637:1巻〜8巻

著:赤石路代のコミックです。flowersで連載されていました。全12巻だそうです。
物語は、「早弓夏月(はゆみなつき)」を中心とする聖フランシスコ学園高等部生徒会のメンバー6人が、修学旅行中に江戸時代へタイムスリップしてしまうところから始まります。
嵐に巻き込まれた夏月が目を覚ますと、そこは天草。そして発見者と最初は話が合わず、よくよく聞いてみるとそこは西暦1636年の世界でした。夏月はそこで益田四郎時貞、つまり天草四郎と勘違いされてしまいます。本当の四郎は既に死んでいるにも関わらず。
ともあれ、やがて来る「島原・天草の乱」に、天草四郎として立ち向かうことを余儀なくされる夏月の戦いを描いていきます。
ポイントになるのは3つでしょうか。まず夏月たちがキリスト教系の学校に通っていたことと、島原の乱キリシタンによる一揆という点で結びつきがあるところです。最初に夏月が目を覚ました時にも、ロザリオを持っていたことでキリシタンと思われたりしていますし。
また、生徒会メンバーがそれぞれ特技を持っているのもポイントです。夏月や宮本は剣道の達人、聖香は声楽で留学決定するほどの歌唱力を持ち、八塚・英司・英理は学内でトップクラスの秀才。特に英理のおかげで「史実ではこうだった」という部分がわかります。
最後に、女子3人と男子3人がこの世界に辿りついたタイムラグ。夏月が来る数年前から男子はこの世界におり、それだけにこの世界に精通しています。
こうした環境が揃い、本来は大群に囲まれて全滅するはずのキリシタン3万人がどう戦っていくか、という戦術に夏月たちは尽力していくわけです。
個人的には、この島原の乱というのを深く追ったことがなく、また九州の大名にも明るくなかったため、作品を読みながらついでに勉強もできたので良かったです。きちんと時代背景などを調べたら、より楽しめそうですね。