スパイラル・アライヴ:全5巻

原作:城平京、作画:水野英多のコミックです。ガンガンWINGを経てガンガン本誌に連載が引き継がれた作品です。
タイトルでピンと来た方も多いでしょうが、本作は「スパイラル 〜推理の絆〜」のサブストーリーで、約2年前の出来事を扱っています。私はそちらを確か1巻しか読んでいなかったのですが、お話自体は理解できるものになっているので安心です。
内容は、1巻と2巻以降で大きく二つに分かれる感じでしょうか。1巻では高校2年生の「関口伊万里」が「沢村史郎」に一目惚れして猛烈にアタックをするも、「雨苗雪音」という彼女がいることが判明…という辺りを軸にしたコメディっぽい感じです。
2巻以降は、本編「スパイラル」のキャラである「浅月香介」と「高町京子」を軸として、「ブレード・チルドレン」と呼ばれる少年少女たちや、先の雪音らを取り巻く事件に皆が関わっていくことになります。
本編ではラスボス的存在だった「鳴海清隆」が殆どの場面で関わってくるのもポイントです。神懸り的な先読み力を使ってあらゆる人間を動かしていきます。
事件の動機などは読み進めればわかる部分ですが、トリックについては推理物で良く使われる状況を使っているので、それにいつ頃気づくか、という遊びもあります。…と、少しぼんやり書いてみましたが、わかる人にはわかっちゃうんですかね。
キャラとしては、本編のキャラではありますが香介が熱くて良いですね。バカで熱血漢、というのは主人公属性だと思います…というのは、古い人間でしょうかね。
女性陣でも、香介とつながりの深い京子がいい感じです。事件の真相とは別に、二人がくっつく展開を密かに期待して最後まで興味深く読み進めたりしました。
こうなると、本編も読んだ方が良いような気もしますが、まあ気が向いた時にでも、という感じです。Wikiなどを見てかなりネタバレしてしまったので。