Shall We Dance?:熊本マリ ピアノコンサート

木曜日のことになりますが、川口リリアの音楽ホールで開催されたピアノコンサートに行ってきました。私は熊本マリのピアノを聴くのは初めてだったはず…ということで、楽しみにしていました。チケットも3ヶ月以上前から取っていましたしね。
今回は時間をコンパクトに収めるというのもあったようで、通常ピアノコンサートは120分程度取るところが、この日は90分の予定。プログラムは事前に配られていたのですが、確かに短い曲もぽつぽつとありました。
まず第1部、「別れのワルツ」でご挨拶。私は同じショパンの「別れの曲」と勘違いしていたのですが、別れのワルツは颯爽として軽やかな印象でした。
そのまま高速の「子犬のワルツ」につなぎ、少しトーク。このトークを聞きながら、この人は喋りでもいけるタイプの人だなと思いました。以前観た人では、高嶋ちさ子さんは喋りが得意、cobaさんなんかは苦手な感じでしたが。
カルメン」からは3曲、「アラゴネーズ〜ハバネラ〜闘牛士の歌」という繋ぎ。どれも有名なフレーズばかりですが、ここにきてグッと音に力強さが増したのを感じました。というか、こういう強いタッチの曲が得意なのかな、と気づき始めました。
第2部はトークからでしたが、いきなりの肉トーク。ここで「力強いタッチ」が通常であることを確信しました。あれだけ運動量の大きい演奏であれば、すぐエネルギーを消費します。演奏会で1kg減るという話も理解できますね。
そんな第2部の幕開けは、リストの「愛の夢」。ところどころの力強さはありましたが、雑なわけではなく、なんというか演歌でいう「こぶし」のような聴かせどころが幾つもあった感じです。
ここからは静かな曲が続きましたが、「美しく青きドナウ」で元気さを取り戻した感じです。特別にピアノアレンジされたようなのですが、その分ワンマンオーケストラをしなくてはならず、楽譜も真っ黒だそうな。
そして最後の「火祭りの踊り」、これはピアノの調律をダメにしてしまうほど激しい曲で、クライマックスを派手に締めくくるにはもってこいの曲という感じでした。こんなに激しい生演奏は、今後聴けるかわからないくらいでした。
アンコールは2曲、1曲目はマイナーな曲ではありましたが、熊本マリ自身が「ミントの風」と副題をつけて広めている曲のようです。
2曲目はマスカーニ。こちらは有名ですが改めて聴いてみると良い曲なんですよね〜。マスカーニはこの「カヴァレリア・ルスティカーナ」しか聴いていませんが、他の作品も手を出してみたくなりました。
地理的にも自宅から近く、値段も安かったこともありますが、そうした付加価値がなかったとしても非常に楽しめた夜だったと思います。あの迫力のあるカルメンと火祭りの踊り、しばらくは印象に残っていることでしょう。

セットリスト

(公式:http://www.marikumamoto.com/