オトメン(乙男):1巻〜6巻

著:菅野文のコミックです。「かんのあや」って読むんですね。別冊花とゆめで連載中です。
社会現象に近い言葉になった「オトメン」ですので、かなり多くの方がご存知かとは思います。また、8月1日からドラマも始まり、ますます知名度は拡大していくことでしょう。
でも一応あらすじを。銀百合学園の剣道部主将「正宗飛鳥」は、柔道と空手も段持ちで、キリッとした目が印象的なイケメン。周囲からは男の中の男として評判ですが、実は料理や裁縫などが大好きという秘密がありました。
転校生の少女「都塚(みやこづか)りょう」に一目惚れしたものの、なかなか告白できない飛鳥。そんな二人を見守るクラスメイトで女たらしの「橘充太」らとの学園生活を中心に描く、ちょっと変わったラブコメです。
この作品には飛鳥の他にも、剣道のライバル「多武峰一(とうのみねはじめ)」や、後輩で女の子のような容姿の「有明大和」、長身で花好きの同級生「黒川樹虎(くろかわきとら)」など方向は若干違えどオトメンだらけです。かなりの徹底振りがうかがえます。
しかし一方で、お話の方は毎回同じような運びになる一話完結型なので、少しずつ読んでもきりが良くて個人的には好きです。ワンパターンが嫌いな方は飽きるかもしれません。もしくは甘いものが嫌いな方…とは言いつつ、そういう人はそもそも花ゆめを読まないかもしれませんが。
また、作中作として充太が「幸花(さちはな)ジュエル」というペンネームで描いている少女マンガ「らぶちっく」がかなり大きく取り上げられているのも面白いです。モデルはまんま周囲の人物なので、ある意味伝記のような作品になっています。
飛鳥も「らぶちっく」読者で、何度か正体がばれそうになるも上手く誤魔化しています。というか、飛鳥は「何か隠していることは気づいているが、敢えて詮索しない」という道をとった様子。
もしアニメ化したら、多武峰の声は福山潤がいいです。あの物言いを、ルルーシュのような怪演でこなして欲しいので。あとミラ先生は美輪明宏で。
しかしまあ、恐らく各所で言われていることだと思いますが、感想を一言で述べるなら「飛鳥ちゃんは俺の嫁」でしょうね。表の顔も裏の顔も完璧な腕前って、どんだけなんだ。