天地人:第34回「さらば、越後」

秀吉が倒れてしまったところからですね。兼続の元に三成からの使者が訪れ、目隠しをされた状態である場所に連れていかれます。
そこには病に伏せる秀吉がおり、兼続に内密の話を持ちかけたのでした。その内容は、上杉を越後から会津へと国替えして欲しいというもの。それは、自分の身ももう長くないと悟った秀吉が後に憂いを残さぬよう、家康の見張り番にしたいという意向からでした。
石高も大きく増えるこの取引、越後のことや上杉の今後、もっと言えば国の安泰を考えて、兼続は国替えの話を景勝に提言します。景勝もこの話を受ける決断をしました。
こうして兼続は、家臣たちにも会津への国替えを伝えます。家臣は全て連れていき、百姓は全て残すという条件があり、上杉が大大名になる出来事ではありましたが、越後を愛する仲間たちは表情を曇らせるのでした。
中でも泉沢は国替えに反対で、仮病を使って自宅に引きこもる有様。泉沢の屋敷を訪ねた兼続は、今後のための頼みごとをします。内容は、あえて百姓に身分を落としてでも越後に残る者を探して欲しいというもの。もし有事の際には越後に戻ることも見据え、その時に手引きをする人間が必要と言う判断でした。
何人かそういった者を集った泉沢は、自らの次男と三男も越後に残していくことにしました。兼続にだけは自分の辛さを吐露しますが、それでも国のための決断だから兼続を信じる、という言葉に兼続は心を打たれます。
一方の兼続の家族はと言うと、京から戻ったお船が子供たちと共にかまくらを作っていました。そこに皆で入り、この雪のあたたかさを覚えておくようにと言い聞かせます。
翌年には秀吉からの正式な命が出ます。いよいよ国替えも間近といった日に景勝と兼続は八海山に登って、頂上から眼下に広がる越後の景色を目に焼き付けます。
二人の胸中には子供の頃からの思い出がよぎり、兼続は思わず涙します。そして越後に残る仙桃院らに見送られて出立する場面で今回は終了。
越後のために尽力してきた兼続でしたが、国を去る決断をして本当に良かったのか、とお涼にだけ弱音を吐いたところが見物でした。どちらが完璧な選択肢というわけでもないだけに、すっぱりと割り切ることもできませんし、家老の立場では弱音も吐けないという心情が見えたところが特に。
兼続は会津でも同じように土地を愛し、民を愛して頑張ってゆくことと思われますが、そんな姿に今後も注目していきたいですね。
(公式:http://www3.nhk.or.jp/taiga/index.html