花月姫:全2巻

著:響ワタルのコミックです。ララDXで連載されていたようです。
胸に花の形をした大きなアザを持つ踊り子の少女「リース・リリー」と、青年「シヴァ・レイ」の2人が中心となります。花のアザは、悪魔と契約して心臓を借り、死ぬはずだった命を生き延びさせた証。リースは生まれた時にすぐ死んでしまったのですが、母が悪魔と契約し、悪魔の心臓を借りたのです。期限はリースが16歳になるまで。
期限を迎えれば、悪魔は依代を殺して心臓を取り返すのです。15歳となったリースはその契約を改めてもらえるよう、悪魔を探しに旅に出た…という辺りからお話が始まっています。
「花付き」と呼ばれるアザつきの人間は、その正体を知る人と知らない人に分かれてはいますが、正体が知れれば大方の予想通り迫害されます。こうしてリースとシヴァは街を転々としながら路銭を稼ぎつつ悪魔を探していくことになります。
ある街では王子ラシットと、その指輪の精霊トールに出会い、ラシットからは妾になるよう持ち掛けられたりも。とはいえ悪い感情は抱いていないらしく、リースとシヴァの旅の手助けをする場面もあります。
悪魔と少女の千一夜ロマンと銘打っており、アラビアのような砂漠の街から街へと渡ってゆく世界観がいいと思います。あと、悪魔との契約なのにアザが花ってのも。
リースもこのアザ自体は好きなようで、踊り子の衣装も肌を大きく露出させたもの。アザも全部見えている感じです。事情を知らない人たちにとっては、このアザも美しいものに思うわけで、この状態がお互いに幸せではあるんですよね。
それにしても、この衣装がきわどくていい感じです…ってのもおかしな話かもしれませんが。
著者にとって初のコミックとなった本作、全8話と短命に終わってしまった感はありますが、絵も綺麗で内容も好みでした。他の作品にも興味が出てきましたね。