おいしいコーヒーのいれ方:7巻「坂の途中」

著:村山由佳の小説シリーズです。私が読んでいるのは後発の集英社文庫版です。
私はこの作品がラノベだとは思っていないのですが、元々はJUMP J BOOKSからスタートしているんですよね。そもそもラノベの定義が良くわかっていないので、微妙なところです。
ここまでのあらすじは…長いので割愛します。気になる方は1巻から読んでいっていただけると幸いです。
この巻では、勝利が花村家を出て一人暮らしを始め、それによって気づいた感情…悩みや不安を綴っています。勝利は家を出る前に、一人暮らしをすれば好きな時にかれんと二人きりになれると思っていたのですが、実際にはそんなに甘いことはなく。
日頃かれんに会えない不安から、たまに逢うとどうしても焦ってしまう勝利。そんな中、かれんが介護士を目指していることを知ったり、同学年の星野りつ子の想いが圧し掛かってきたりと、勝利の心は揺れに揺れます。
この作品の魅力は多分、勝利が精神的にまだコドモだってことだと思います。かれんのことを考えてやりたい、と表面上は思っていても、いざという時に自分の思い通りにならないかれんに腹を立てるシーンが多いですしね。そうしたジレンマを楽しむものだと思います。
「おいコー」シリーズは、恋愛ネタで読みやすい作品を探している人に良いのではないかと思っています。個人的には「超オススメ」ですね。