クリスクロス

最新刊を読むために、まずは手付かずだったこちらを。
あらすじとしては、バレンタインデー当日を描いています。祐巳たちがチョコを渡すシーンに始まり、今年も行われた新聞部企画の宝探しゲームの様子を様々な視点で。
祐巳と祥子さまがチョコ交換をするところは、お互いにちょっと遠慮気味というか…妙な初々しさがあって趣がありました。ささやかなことでも嬉しいといった部分が。志摩子さんと乃梨子のチョコ交換は、祐巳視点だと「見てはいけないもの」というくらい神聖に写ったようです。
宝探しでは、前年と似たような人の動きがありました。祥子さまはスタートしてのんびりと薔薇の館に入り、お茶をしつつ祐巳の様子を窺う作戦に出ます。いつかボロを出すのを待つ…効果的な作戦と言えます。
一方で、瞳子もこの宝探しに参加していました。社会科準備室を探している最中に乃梨子と出会い、想いを語られます。それに瞳子がどう感じたのかは描かれていませんが、心を揺り動かしたであろうことは伝わってきます。
由乃さんが隠した黄色のカードが発見され、白と赤のカードを各々が探すのですが、宝探し終了の間際になって赤のカードの所在が明らかになった…と同時に、その上を行く衝撃が場を駆け抜けたところで終了です。
今回、祐巳が祥子さまにチョコを渡すシーンで挿絵があるのですが、この祥子さまの照れ顔がやけに気に入りました。やっぱり私は、脈々と伝わる紅薔薇一族に好きなキャラが多いようで…。特に蓉子さまと祐巳すけなのですが。
あと、祐巳はホント大人になりましたね。ここしばらくの流れで、祐巳の成長と乃梨子のお姉さま好きの2つは、やけに目に付きます。この辺の成長は、どこまで伸びてゆくのか楽しみでもあります。