風林火山:両雄死す

村上義清の軍が、信濃に攻め入ろうとする武田軍を迎え撃とうとしていました。この戦が始まる前に、甘利は単身村上の陣へ向かい、村上につくよう話を進めていました。また板垣は勘助に後を託すような言い方をしていたのですが…これはこの戦で討ち死にする覚悟があったということでしょうか。
武田の先陣は甘利と板垣の2人が務めることになりました。戦況は武田軍にとって芳しくなく、晴信もやきもきすることになります。
戦い初日の夜、板垣は晴信の影武者を伝兵衛に任せ、もしもの時に村上をかく乱する策をとります。そして甘利について、村上への寝返りが実は策だとわかります。それは成功しなければ晴信に真意が伝わらない話なのですが、ここに甘利の覚悟がうかがえます。
果たして甘利は村上本陣へ向かい、隙を見て首を狙うものの、一本の矢に阻まれて失敗します。その矢を放ったのは何と平蔵で、村上は大いに褒めます。
甘利は逃げ出す途中で矢を受け、瀕死で板垣の陣へ帰ります。そして失敗を告げると息を引き取るのでした。板垣陣営は前夜にも村上の奇襲を受けていましたが、板垣は前に進むことで晴信を守ろうとします。
板垣は果敢に戦いますが槍を受けて落馬し、それでも単身立ち回ります。そんな状況で多くの兵を跳ね返せるはずもなく、やがて刀を受け槍を受け、辞世の句を読んで息を引き取ります。
勘助は、甘利と板垣の真意が伝わってきたため晴信に陣を引かせようとしている…という場面で終了です。
武田に長らく使えてきた忠臣が二人もいなくなってしまい、また兵も多く犠牲になったことで、この「上田原の戦い」が晴信初の明確な敗北とされているようです。
歴史上では、板垣がもっと間抜けな死に方をしているようなのですが、本作では異様なまでのカッコよさです。勘助に覚悟を打ち明けるシーンから最後の立ち回りのシーンまで、千葉真一の演技力もあって「本当に強い人」の立ち回りのようでした。
(公式:http://www3.nhk.or.jp/taiga/