春行きバス:3巻

著:宇佐美真紀のコミックです。別冊フラワーコミックスで連載中のオムニバスストーリーですね。
内容はタイトルどおりバスをテーマにしている恋愛作品です。出会いあり別れあり、中心となるのは高校生という感じです。
でもまあ、最も作者が描きたかった物語は最初のお話ではないかと。バス通学の少女と自転車通学の少年が、窓越しの出会いをして、ある雨の日に少年がバスに乗ってきたところから始まる出会いです。
個人的に好きなのは、2巻の第8話ですね。他人に触れていると安心する少女と、バイトの先輩について描いたお話しです。触るところから好きになるのか、好きだから触りたいのか…という哲学的な気持ちを抱かせます。というか、想像させるエロさがいいです。
面白いなと思ったのは、全て舞台が関西方面(大阪?)らしく、言葉遣いが違うんですよね。関西弁での告白とかに弱い人も結構いるかと思いますが、この作品ではお腹いっぱい堪能できます。
あとは高校生の初恋っぽいものが多いだけに、初々しいぎこちなさを楽しむ面が一番大きいでしょうか。読者は主人公たちの心情を両方とも見えるので、もどかしさを感じつつ読みましょう。
余談になりますが、タイトルの「春行きバス」は、オムニバスストーリーを書こうとしてタイトルを決め、バスをテーマにしたのはその後だったそうな。駄洒落オチでした。