ラブわん!:全4巻

著:亜月亮のコミックです。りぼんで連載されていました。
あらすじとしては、犬が大好きな女子中学生「大月のあ」が、夢の中で犬仙人から不思議な力を授かり、その力で様々な犬を幸せにしようと奮闘するコメディです。
のあがもらった力は「人間を犬に変身させる能力」です。話が進んでいくと、更に犬と会話できる能力などが増えたりしますが。この能力をもらった際に、寡黙なクラスメイトの「寅泰大牙(とらやすたいが)」だけは変身のルールが少し違い、これによってのあと大牙はコンビのようになっていきます。
のあが「犬たちの幸せ」に拘る理由は、かつての飼い犬「テツ」を交通事故に遭わせてしまったことにより、責任を感じているからです。他の犬を幸せにすればテツの魂も浮かばれると信じています。
通して読んでみての感想なのですが、上記のように暗い背景がありつつも、亜月作品らしくカッ飛ばした明るさがあると思いました。途中で暗くなるとか、基本的には皆無です。
また、「描いていて作者だけが楽しい」みたいな世界になっている部分もちらほら。この作品には多数の犬が出てきますが、かなりの犬マニアでないと知らない犬種もでてきているようで。私もわかりませんでしたが、こうした空気を楽しめるかどうか、というのは重要ですね。知識のあるなしに関わらず。
犬の中で一番好きなのは、先生が変身したラブラドールでした。犬になっても知能や行動がきびきびしている先生の存在は、寅泰と違ったツッコミとして貴重だと思います。
人間の中では…まぁ、犬男爵でしょうね。反論は認めませんよ?
あとコミックスでは最終の4巻に、読みきり「ママといっしょ」が載っていますが、これは本編のあらゆるテンションをぶっちぎっています。もう一つの読みきり「H2LOVE」が霞んで見えるほどです。