いじわる動物園

著:三木卓ショートショート集です。「マフィン」で連載されたそうなのですが、私はこれを知らなかったり。
内容は、様々な動物を取り上げてコント風にまとめたものです。とはいえ、その生活ぶりはその動物の特性と人間社会の内容をミックスしたものです。
登場人物(?)たちが独特な喋り方をする文体ですね。あと、生まれてから死ぬまでの人生をうまいことまとめていると思います。その中で降りかかる、就職や結婚といったイベントごとも含めて。
また、最後の作品は「宇宙人が地球人を動物扱いしている」という、視点が違う作品です。この「宇宙人」が、地球人を野蛮な動物だと評価しており、なるほど人間は最も傲慢で野蛮な生物なのだなと感じさせてくれます。
動物が出てくるからほのぼのしているのかな、という期待を、良い意味で裏切る作品だと思います。これは私がブラックユーモアも悪くないと考えているから、そう感じるのかもしれませんが。