地獄少女:うつろいの彼岸花

様々なメディア展開がされた「地獄少女」ですが、私はアニメをしっかり観ていなくて、コミックを読んだ感じでした。アニメは絵柄からして恐怖そのものでしたが、コミックは「なかよし」連載だったこともあって、ポップな絵柄でした。
そんな中、この小説を借りて読んだわけです。著:天羽沙夜、挿絵:南野彼方というタッグでファミ通文庫から出版されていますが、私はお二方とも知らず…。
前提として、ウェブサイト「地獄通信」にアクセスして殺したい相手の名前を書くと「地獄少女」が地獄へ流してくれる、という設定があります。但し、地獄流しをしたものは自身も地獄に落ちるという契約の元に、ですが。
この作品名にもなっている「地獄少女」と呼ばれるのが、主人公の「閻魔あい」です。
さて、小説版の物語は、ある中学校で起きた2つの事件を、その中心となる2人の女子中学生の視点から追っていきます。もちろん、その中であいが地獄流しをする場面もあるわけですが。
怖さで言うと「アニメ>小説>コミック」なのでしょうか。各所で評価を見てみると、コミック版はあまり怖くないということだったのですが、小説版はそれより若干描写が恐ろしくなっていたと思うので。
それと、割と平凡に暮らしていた主人公の少女が一気に不幸になっていく様子は、どのメディアでも似通っているみたいですね。ここでも第1章の主人公である真以子が、どつぼにハマったとしか言えない転落ぶりでした。
そういう部分で読者の怒りを煽り、また作中でも怒りのままに契約する者もいれば、そこで踏みとどまれる強さを持った者もいるのが面白いところだと思います。
コミックは面白かったですし、この小説版もなかなか良かったので、この流れだと次はアニメ、ということになりますか。CATVはあるので、再放送してくれれば観られますね。今はそこまで意欲が湧かないのも事実ですが。