天地人:第9回「謙信死す」

謙信が病に倒れたところからですね。本編ではなく前振りで触れていたのですが、謙信は脳卒中で倒れたそうです。
病状は急激に悪化した様子で、倒れた瞬間から謙信が目を覚ますことすらないまま数日が過ぎていきました。その間、家臣たちも混乱に陥っていたのです。景虎はその場を一喝して治めますが、跡継ぎの話についてはあくまで謙信の意思を重視します。
この時も、いつもどおり寡黙で何も言わなかった景勝に対し、景虎の家臣たちは良い感情を抱きません。跡継ぎには景虎こそ相応しいと話し合っていました。
そして限られた者たちで看病を続けたものの謙信は回復の見込みがなく、仙桃院は兼続にもしもの時のため、心の準備をしておくよう告げます。そんな折、謙信が一瞬だけ目を覚まして、兼続に最後の言葉を告げます。
それは跡継ぎの話ではなく、兼続に当てた言葉でした。「そなたの義」、それを最後に謙信は息を引き取ります。
謙信が跡継ぎを明言しなかったことにより、家臣は真っ二つに分かれて議論をします。元々は謙信の下で一枚岩として団結してきた上杉軍、まさかの崩壊です。
その軍議の最中、お船の母である妙椿尼が、謙信の遺言だとして景勝が跡継ぎであることを宣言します。ひとまずその場は治まるのですが、後で仙桃院に呼ばれた兼続は、それが妙椿尼の一存であり嘘だと知ります。しかし嘘だと公表すれば騒ぎが広がる恐れもあり、他言無用としておくのでした。
その帰る前に、兼続はお船に呼び止められます。お船もやはり、この言葉一つで上杉軍が元通りにまとまるとは思っていないようで、もしもの時には直江家の人間として義を果たす覚悟を示したのでした。
一方で、景勝の屋敷に戻った兼続は、かつて幼少時代の景勝に対して、謙信が自分と共に国を作ろうと言ってくれたことを思い出します。その義を守ろうと、誰よりも強い思いを兼続に吐露します。
謙信の葬儀の準備が始まり、景勝の家臣たちは休むまもなく働いていました。そうして夜通しの作業になる中、兼続は外の物音に気づきます。それは景虎の家臣たちが攻め込んで来た音だった、というところで終了です。
あまりにも絶対的なボスがいると、そこが崩れた時に総崩れとなってしまうのが、組織の恐ろしいところでもあります。跡継ぎを予め決めておくにも、あまりにも病死が早すぎたのでしょうね…。
ともあれ、平穏に済むはずもなく景勝や兼続は跡継ぎ争いの渦中に飛び込んでいくことになります。その後の上杉軍がどのようにまとまるか、また兼続は活躍できるのか、期待しましょう。
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