天地人:第11回「御館(おたて)の乱」

景虎が今まさに兼続を切ろうとしているシーンからです。ここまで、景虎は自分なりに景勝を立てていこうと自分を押し殺していたのですが、本丸を乗っ取られるという所業に堪忍袋の緒が切れた形でした。
兼続は、景勝ではなく自分が提言したことだと言い、景勝を改めて越後の主と認めて欲しいことを訴えました。しかしプライドの高い景虎、もう何も信じられるものではありません。仙桃院が必死に止めなければ、兼続も切られていたに違いない状況でした。
かくして陣に戻った兼続、迅速に本丸を取った働きを他の家臣たちに褒められます。しかし兼続は、これ以上の戦を望まず、どうすれば良いか考えますが、明確な答えは出ません。
一方、先の仕打ちを受けて、景虎を慕う家臣たちは奮起を促します。景勝に対する不信感が高まっていた景虎は、遂に決戦を起こすことにします。
同じ頃、お船はこの危険な中、仙桃院に会いに行きます。戦は避けられないと踏んだお船は、景勝の元に行くよう説得しようとしたのです。しかし仙桃院もまた、この戦の発端を知る人物の一人。景虎の近くで戦を止められるよう尽力する意思は固いのでした。
お船は兼続にそれを伝え、兼続が鬼となるならば自分は夜叉となる、と強い気持ちを吐露します。自分も兼続の立場なら、同じことをしたと激励しながら。
景勝は戦の始まりを予感しながらも、自分に義があるのか悩んでいました。義があれば、この戦を止められるのだろうかとも。元々、兄弟で刃を交えたくなかった心優しい主君を、兼続は心から励まします。
運は天にあり、という謙信の言葉を信じる景虎ですが、陣を向かい合って時を待つ景虎には悪いことに大雨。鉄砲がまともに使えない中、景虎はいよいよ仕掛けます。戦が始まると、春日山に陣取った景勝軍が有利に進み、勝つための戦略的撤退として御館に陣を張りなおします。
景虎は妻の華姫にも、兄である景勝の元に行くよう突き放すのですが、華姫はあくまで自分が景虎の妻であることを命がけで訴え、夫婦の愛の絆を確かめ合いました。
こうして一旦は激戦も落ち着いて睨み合いが続くところ、景勝軍には深刻な問題が降りかかってきました。それは、長引く戦による兵糧不足であることがわかったところで、終了です。
上杉家の行く末まで揺るがす内乱の幕開け、勝っても国を立て直すのは大変という状況ですが、まずはこの戦で相手を退けることを考えねばなりません。
主君を強く思い、それと同じくらい国のことを愛する兼続が、この戦を乗り切るためどのように力を発揮していくのか、楽しみにしていきましょう。
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