のだめカンタービレ 巴里編:総括

前期のアニメですが、ちまちまと観続けてようやっとです。ドラマも、年始に特別版で放映してましたよね。
お話は、のだめと千秋先輩がパリに行ってからの生活を描いています。のだめは音楽学校に通うことになり、そこで周囲のレベルの高さに最初は塞ぎこむも段々と練習して自分らしい音遊びを具現化していきます。
一方の千秋は指揮者としてコンクールに出場して優勝し、やがてオーケストラの常任指揮者に任命されます。このオケが結構曲者だったのですが、何とか立て直して良い演奏を出来るようにしていました。
二人は同じアパルトマンの隣同士の部屋になり、日本と同じような生活になります。とはいえ、千秋が演奏旅行で部屋を空ける日の方が多いため、のだめはどちらかと言えば隣人や学友と一緒に過ごす時間が長くなるというわけです。
通しての感想としては大きく3点ありましたが、まず、のだめと千秋の成長振りに一番惹かれました。
のだめは前述の通り最初は全く周囲についていけず、また専属のオクレール先生にも困り顔をされる有様だったのですが、終盤になってリサイタルをする頃には周囲に受け入れてもらえるピアニストになりました。
この辺り、のだめの根本である「自分の好きな音を求める」部分は損なわれておらず、それでいて様々な情報を受け入れて苦手意識を克服していこうとする成長が見られたと思います。
千秋の方も、かつてシュトレーゼマンが指揮をした軌跡を辿りながら、彼はどうやって指揮したのだろうと考え抜いてオケに向かっていきます。若い新参者が突然受け入れてもらえるはずもなく、彼もまた挫折を味わうことになるんですね。
しかし、ただ口うるさいだけではなく、自分のミスは謝る誠実さや音楽に対する真摯な姿勢は徐々に皆の心を傾けることになるのが熱いです。
感想の2点目として、千秋が以前よりのだめを強く意識するようになったことが興味深かったです。
前作のラスト辺りでも、既に音だけではなくのだめ本人に惹かれている千秋の姿はありましたが、この巴里編になってますますそれに磨きが掛かったというか。「惹かれている」が「愛おしい」くらいにはレベルアップした感じがしました。
3点目はやはり演奏。各所で演奏するシーンがあると、それだけで嬉しくなりますよね。この辺り、コミックでは想像するしかないのですが、実際に音が流れるとそれを補填してくれるのが良いと思います。
音楽を題材にした作品ということで、他より贔屓目に見ているところは多いと思いますが、楽しく見ることができました。やっぱり、HDDから消さないで良かったと思いましたね。
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