リボンの騎士:全2巻

著:手塚治虫のコミックです。私が読んだのは講談社漫画文庫版で、なかよしで連載されていたようです。オリジナルは少女クラブで連載していたようで、設定や登場人物なども違うとのこと。
名前を知らない人はいないであろう、超有名作品です。しかし私は大まかな話しか知らず、読んだことがありませんでした。リメイク版に触れる機会があり、そこから遡った形ですね。
お話は、天界で赤ちゃんに男の心か女の心を与えている途中、天使「チンク」のいたずらにより、ある赤ちゃんに男女両方の心が入ってしまったことから始まります。
その赤ちゃん「サファイア」はシルバーランドの王女に生まれますが、王位継承権を男性にしか認めない国の掟により男装する羽目に。サファイアはその後も数奇な運命を辿り、時には得意の剣術で悪と戦ったりもします。
手塚治虫の作品の中で、少女漫画としては最も有名とも言われる本作。数回のリメイクを経てアニメ化なども果たしていますが、作品ごとに、またアニメも設定がそれぞれ違うところに注意が必要です。
主人公の少女が男装するという漫画は、これがはしりなのでしょうか。今では珍しくもなんともない設定ですが、当時はセンセーショナルだったのではないかと予想されます。作者は宝塚にヒントを得たそうですしね。
サファイアは男女両方の心を持っているため、悪と戦う時は男の心を、隣国ゴールドランドの王子「フランツ・チャーミング」を想う時は女の心が前面に押し出されます。二重人格ではなく意図的に使い分けますが、やはり女の心でいる場面が多いですね。モノローグはほぼ全てです。
それにしても、このなかよし版は新キャラも盛りだくさん。中でも私が気に入ったのは後半に出てくる海賊ブラッド。生まれながらのワルではなく、義賊っぽさも持ち合わせている、男気に溢れたキャプテンです。
…何だか語り始めると結構な分量になってしまいそうな気がするので、今回はこの辺で。あまり大風呂敷を広げても収拾がつかなくなりますしね。
尚、続編としてサファイアの子供たちを主人公にした「双子の騎士」もあります。そちらも読みましたが、詳細は割愛します。