椿山の鐘が鳴る!:全3巻

著:氷堂涼二のコミックです。あすかで連載されていたようです。
舞台は、普通科と特進科で徹底的に分かれている「椿山高校」。普通科に所属する「上田歴(うえだめぐる)」はある日、渡り廊下で特進科の「麻生真人(あそうまなと)」との出会いをきっかけに「全部*1」という部活を立ち上げ、普通科と特進科の交流を図ろうとするお話です。
メグルは元気だけが取り柄といった感じですが、仲間を思いやる気持ちは誰にも負けません。「ジョイナス!」をキーワードに多くの人を巻き込んで、テンションの高すぎるイベントを次々とこなしていきます。
マナトは常におどおどしているのですが、実は学園理事長の孫で成績もトップという才児。積極的に声を掛けてくれたメグルに信頼をいだき、全部ではメグルと共に代表者の座に着くことに。もっとも、これはメグルの強引とも言える勧めがあったからですが。
全部の活動は椿山の伝統を良くも悪くも打ち壊していくので、当然ながらそれに目をつける人たちもおり、なかなか一筋縄ではいかない部分もあります。それでもメグルやマナトを中心に、明るく乗り越えてゆく感じですね。
このように明るく楽しいギャグ作品ではありますが、マナトを取り巻く環境や本人の苦悩があるため、そうしたシリアスなシーンも見所です。特にマナト自身の問題は、作品を通して大きく関わってきます。
個人的には、世間体や常識に縛られず自分の考えを貫くメグルを見ていると爽快でした。自分がこうなりたいとか、出来るとかは思わないんですが、こういう人がいたらそれはそれで楽しい学園生活になりそうですしね。限度はあるにしても。
脇を固めるキャラもそれぞれアクが強いですが、メグルのクラスメイト「寺尾史絵」があっけらかんとした天然キャラで、割と女性キャラでは好みの方でした。
明るく、時に(しょっちゅう?)暴走気味の学園生活に憧れる方は、ちょっと読んでみてください。ジョイナス

*1:正式名称は「全椿山高生が仲良くスクールライフをエンジョイするための素敵な部活」。