天地人:第22回「真田幸村参上」

兼続と何かと縁がある初音が、春日山を訪ねてきたところからです。実は初音は真田昌幸の娘であり、上杉の義にて真田を救って欲しいと願い出ます。
その頃の真田は主人をちょくちょく変えつつ自分の領土を何とか守ってきたのです。そして徳川にも仕えてきたものの、現在はその徳川に攻められそうな状態。そこで、義に厚い上杉と同盟を結ぼうと考えたわけです。
泉沢は真田が主人を何度も変えており信用ならないことを指摘しますが、最終的には景勝が同盟を受け入れます。そして、真田からは人質として次男の幸村が送られてきました。
幸村は、初音が兼続と会っていることを知っており、その人柄をいつか自分の目で見て確かめたいと思っていたようです。
幸村が人質としてやってきた初日、竹やぶの中で槍の稽古をする幸村に、槍の試合をしようと泉沢が声を掛けます。二人は真剣に何度も打ち合いますが、最終的には泉沢の一撃が幸村に決まります。
その夜は兼続の屋敷で幸村をもてなすのですが、あまりにも不遜な態度に泉沢や与七は腹を立てます。しかし兼続は幸村をかばい、疑うようなことはしませんでした。
翌朝、泉沢の大切な槍が紛失したことに気づきます。前日の悔しさから幸村がやったに違いないと泉沢は疑いますが、幸村は答えようとはしませんでした。
兼続は頑なな幸村を連れて海に行き、本当はやってないことを素直に言えば良いと語りかけますが、相変わらずの態度を崩そうとしません。
そんな中、真田の本拠地である上田城に徳川の軍勢が攻め入ったという情報が春日山にもたらされます。すぐに兵を向けることにした景勝と兼続。
ここで兼続は、幸村も兵と共に上田城へ向かえと言い渡します。人質がいなくても助けを出す上杉の「義」を、言葉だけではなく肌で感じた幸村。戦は真田の大勝利に終わりましたが、幸村の心の中には一つの決心が芽生えました。
兼続の屋敷に戻ってきた幸村は礼儀正しく挨拶をし直し、兼続の弟子にして欲しいと頼みます。こうして、幸村にも「義」の精神が受け継がれたのでした。
今回、冒頭で初音の身の上を聞いて同情した兼続が、慰めるために抱きしめていたことを指摘されて慌てていたのが可愛いポイントだったかと思います。本当にこの人は、うっかりを毎回しなくては気がすまないのでしょうか。
あと、惣右衛門が後妻として迎えたのが17歳の女性で、兼続たち兄弟は自分より年下の女性を母上と呼ぶことになったのも何だか心温まるエピソードのような気が。
真田の戦のシーンが割とすぐ終わってしまっただけに、今回はこういう横道のお話に目が行ってしまいました。本当は幸村が心を開いていく過程を楽しむべきなのでしょうけれど。
次回は兼続のシンボルでもある愛の兜が登場するようなので、これも楽しみにしたいと思います。
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