獏-BAKU-:全4巻

著:びっけのコミックです。ZERO-SUMで連載されていたようです。
内容は、悪夢を食う「獏」という一族と、人に悪夢を見せて弱らせ、生気を食べる「夢魔」という一族の戦いを描くファンタジー作品です。
主人公に当たるのは、獏3強の一人である「リン」。少年のような外見をしていますが、その力は相当なもの。そして獏には「夢人」という弟子がつき、リンには「セレン」という女性と「ネオン」という男性がついています。
対する夢魔の方では、「アルセニカ」と「シオン」という双子が総長を務めており、彼らなりの目的を持って動いています。
獏も夢魔も、外見よりずっと長く…数百年の時間を生きているため、様々なことを経験しています。特に、獏になるのは元が人間で、獏に見初められた者が夢人となり、やがて獏の力を一子相伝で受け継ぐというシステムのため、獏になる前に辛い人生を過ごしていたリンのような者もいるわけです。
作品自体がそれほど長期の連載でもなかったため、一人ひとりを掘り下げて詳しく描くことはなかったものの、読んでいて納得感があるくらいの過去は語られていたと思います。個人的には、ネオンの話が良かったですね。
絵柄に関して惜しむべくは、リンと夢魔の双子の顔が似通っており、区別がつきにくかったことでしょうか。話の流れを掴んでいれば困ることはないのですが、ページを開いてすぐに判別できない、みたいな部分はありました。
ただ、絵そのものは綺麗で私好みでしたし、物語も面白いと思います。癖みたいなものがあるので人を選ぶかもしれませんが、ハマれば楽しい作品だと思いますよ。