天地人:第26回「関白を叱る」

秀吉の企み、それに立ち向かう景勝と兼続の構図がはっきりしたところからです。秀吉は二人を茶会に誘いますが、兼続は秀吉の家臣になって欲しいという誘いを頑として拒みます。
そんな主従の関係を見ても秀吉は、兼続の前に砂金を山のように積み上げます。それでも首を縦に振らない兼続を前に、秀吉は刀を首筋に添えますが兼続の決意は変わりません。前日に景勝と話したように、自分の首一つで話がおさまるなら、それでも良いという覚悟なのです。
結局秀吉は諦めて、大阪城の部屋に戻ってから上杉の主従の絆を褒め称えます。
無事に宿舎へ戻った二人。兼続は何かの箱を燃やそうとする家臣を見かけ、呼び止めます。中に入っている手紙を見ると、それは景勝の遺書でした。景勝と兼続がもし死んだ場合、家来たちに越後へ戻れという内容。この遺書を読んだ兼続は、主人の自分への強い信頼関係を感じました。
二人が越後に帰る時、景勝は秀吉から位を賜ったのですが、一方の兼続は千利休と茶室で話をしていました。その時、自分の遺言という意味深な言葉を残して、三成に気をつけるようにと話します。兼続は良く理解できず、利休の真意を測りかねます。
そして上杉の一件を知った家康は、上洛して秀吉に会うことに。お互い言葉では相手を褒め称える二人ですが、腹黒いけん制がそこにはありました。三成もピリピリした様子で見守っていました。
さて、今回は景勝と兼続が生きるか死ぬかといった緊迫感のある回でしたが、一方で越後の様子はほのぼのしていました。仙桃院からお船に跡継ぎのことをストレートに言うも、お船は慌てません。以前、景勝のことで無駄な騒ぎになったという経験もあるでしょうね。
あと、最後の秀吉vs家康が面白すぎました。狸の化かし合いとしか表現できないこの黒さは、端から見ている分にはとても楽しいです。家康の、自室では秀吉に怒っていたのに上洛したらにこやかになるという変化も含めて。上杉の主従とは真逆に、素直さが全く見えない感じです。
三成が初音を助け、兼続に引き合わせようかと持ちかけるシーンはせつなかったです。二人のやり取りをすぐそこの戸の向こうで初音が聞き、兼続の本心を聞けて泣きそうになっていたので。
次回は与七こと実頼の活躍が見られそうです。今まではうっかり兄さんと似たようなポジションを確立しつつあった彼ですが、ここらで一つ目だって欲しいものですね。
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