天地人:第27回「与六と与七」

タイトルからわかるとおり、兼続の弟である実頼を中心としたお話になりました。実頼は小国家に婿入りしたものの、兄のようにこれといった手柄を立てているわけでもなく、小国家でも肩身の狭い思いをしていました。
ある日、京都で聚楽第が完成したことを祝うため、実頼は景勝の名代として上洛することになりました。実頼は秀吉に謁見して歌を披露し、秀吉と共にいた側室の茶々に目を掛けられます。茶々は信長の姪で秀吉の側室なのですが、それより「淀君」と言った方がとおりが良いでしょう。
ともあれ、実頼は茶々に苗字の「小国」は歌の内容にしては小さいと指摘され、「大国」と改めるよう勧められます。さらに、秀吉からも官位を賜ることに。実頼も最初は断りましたが、相手は関白とその側室なので、最終的には話をありがたく受ける形になりました。
春日山城に戻った実頼は、上洛の成果を報告するのですが、苗字と官位の話をすると兼続は激怒します。相手が誰であろうと信念を貫くのが上杉だと。対して実頼もけんか腰になってしまい、取っ組み合いをしてしまいます。
後日、景勝と兼続にも上洛を促す手紙が来ました。内容は、二人にも官位を授けたいというもの。二人は実頼を連れて上洛し、秀吉に謁見します。
そこで兼続は、秀吉が上杉を誤解して官位で釣ろうとしていることを非難し、官位などなくても忠義を尽くすことを強く申し立てます。秀吉もその様子を見て謝り、それでも官位は自分からの誠意だと伝えたことで、ようやく兼続も官位を受けました。
この様子を傍で見ていた実頼は、越後に帰る前日に自分を京都に残して欲しいと頼みます。兄の気遣いもわかるが、離れた場所で一人でもやっていけるという実力と自信をつけたいという考えからの申し出でした。
こうして残った実頼は、後々まで上杉と京都を結ぶ重要な役割を果たしていくことになりました。
一方、越後に戻った兼続は、お船から懐妊を告げられます。跡継ぎを残すという大役の一つが叶ったのは勿論、純粋に自分の子供ができたことに、大はしゃぎして喜ぶ兼続でした。
実頼はいつしか、大きな手柄を立て続ける兄を見て、いつまでもパッとしない自分にコンプレックスを抱いていたのでしょうね。官位の話もそうですが、武士としても政治家としても、立ち回りが兄を越えられないと。
しかし文化的な面では功績を残した人物のようで、今回の話でもお涼に茶の湯を習う場面があります。その茶で兄をうならせる場面も。
今後は、ドラマ的には出番が減ってしまうのでしょうけれど、負けずに頑張ってね…と思ってしまいました。
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