シャーマンキング:全32巻

著:武井宏之のコミックです。ジャンプで連載されていました。
ジャンプの有名作品の一つだったので多くの方が内容をご存知かとは思いますが、一応あらすじを。
中学生の「小山田まん太」がある日、塾の帰りに墓場を突っ切ろうとして、幽霊と少年の姿を見ます。少年「麻倉葉(あさくらよう)」は霊と通じる「シャーマン」で、修行のために上京していました。
また、500年に1回行われるシャーマンの頂点「シャーマンキング」を決める戦い「シャーマンファイト」が行われるため、葉は多くの戦いをこなしていくことになります。その中でかけがえのない仲間にも出会い、目的の達成のために頑張っていきます。
周囲から見た葉は「ユルい」性格で、殆どの場面でニコニコしており口癖は「なんとかなる」。葉の仲間は割りと血気盛んな人物が多いので、よく突っ込みを受けていました。しかし終盤は葉も認められ、徐々に「任せられる」人物に成長していきます。
強さの変動具合という意味では、常に葉が最強ということは決してなく、仲間も抜きつ抜かれつで強くなります。最終決戦でも、実は葉より仲間の方が力が上だったりしますしね。
仲間も個性的ですが、一番人気は「道蓮(タオ・レン)」でしょう。最初に登場するシャーマンのライバルで、お互いを意識し合い高め合う関係です。蓮は強気で意地っ張りですが、徐々に葉との信頼関係を築いていきます。まあ、ツンデレですよね。
女性キャラで気に入ったのは、蓮の姉である「道潤(タオ・ジュン)」でしょうか。初期に葉と戦い、それまでの自分の戦い方を悔いることになったシーンが、早々に心を打ちました。ただ出番は少なかったですけどね。S.F.本戦で蓮を応援してたのが可愛かったです。あとスリットですよね。
それにしても、ジャンプ本誌では打ち切りが決まってから急ごしらえでラストに向かったという経緯があったようで、ジャンプコミックス版でもその衝撃的な最後がそのまま収録されています。典型的な「俺たちの戦いはこれからだ!」になってしまいました。
私は仏ゾーンと本作しか知らないので、終わりに恵まれない作者という印象が強くなってしまいました。現在はジャンプスクエアで連載中とのことで、こちらは続くと良いですね。
しっかりした完結を見たい方は、完全版を読んだ方が良さそうです。そちらは380ページもの書き下ろしの末に違った結末を迎えているようなので。