W3(ワンダースリー):全2巻

著:手塚治虫のコミックです。最初はマガジンで6回だけ連載され、その後サンデーに移って新規連載、単行本化されたようです。
あらすじですが、銀河を管理する「銀河連邦」が地球を救うか破壊するかという議論の末、3人の調査員ボッコ、プッコ、ノッコを1年間派遣して判定することにしました。もし「悪」となった時のため、地球を一瞬で破壊する反陽子爆弾を持たせて。
3人はそれぞれウサギ、カモ、ウマに変身しますが、ひょんなことから不良少年「星真一」に正体を知られてしまいます。しかし真一は彼らと親密な関係になっていき、やがては世界の陰謀に関わっていきます。
3匹の動物が出てくるほのぼの作品だと思ったら大間違い、立派なSF作品です。宇宙の進歩した技術による兵器もそうですが、真一の兄である光一が所属する秘密組織「フェニックス」もまた腕時計型のメカを使って難所を切り抜けていきます。
それにしても、何かを成し遂げようとするのに3人というのは実に良いらしいですね。2人が喧嘩してももう1人が止められるなど。ボッコたちも性格は違えど支え合って地球人を信じていく様子が良いと思います。
また、最後の最後で手塚作品らしいロジックが仕掛けられていたのも良かったです。私はその辺の伏線を読み取ることができず、最後で「そういうことか!」と思ってしまいました。