神のみぞ知るセカイ:1巻〜4巻

著:若木民喜のコミックです。サンデーで連載しています。
お話は、ギャルゲーのヒロインたちに激しい情熱を燃やす高校生「桂木桂馬」の元に突然「エルシィ」という死神の少女が現れたところから始まります。
エルシィは人間の心の隙間に入った「駆け魂」を捕獲するため人間界に来たのですが、ギャルゲー界で「落とし神」と呼ばれるほど数多くのゲームを攻略している桂馬の力を借りて、駆け魂がとりついた少女たちを「攻略」していくことになります。
桂馬は現実の女性に嫌悪感を抱いているというか、自分を評価してくれない現実世界そのものが嫌いなようです。作中のモノローグでも「現実はクソゲーだ」というのが多数出てきますし。
とはいえ、悪魔との契約を破棄すると文字通り首が飛ぶため、しぶしぶながらも命がけで攻略に走ることになります。
まずはとにかく出会いをこなすことでターゲットの特徴などを掴み、ギャルゲーでヒロイン10000人を落としたノウハウを武器に奮闘する桂馬。彼の真骨頂は詰めの直前で「見えたぞ、エンディングが!」と展開を読み、的確に駆け魂を放出させていくところです。
その後少女からは「攻略中」の記憶がなくなってしまうのですが、なんとなく桂馬のことが気になる…といった感じなんですね。それまでは「オタメガネ」と読んでいたのが普通に名前で呼んだり。
この攻略という要素がギャルゲー的でもあり、また桂馬の名前のとおり将棋のようでもありました。様々な定石と詰め手のバリエーションで寄せてゆくようで。
一番お気に入りのヒロインは今のところ、武道家の娘だが可愛いものが好きな先輩「春日楠」です。自分としては珍しいタイプなのかも。攻略すると出番が減るのが残念ではあります。
個人的には、こういう作品がサンデーってのが違和感バリバリでしたね。どこからどう見ても萌え系の作品は、もっと適した雑誌があるような気がして。
ただ、ギャルゲー好きとしては非常に共感できる台詞が多く、それでいて一般人とは考え方の溝になるであろう言い回しや態度が多いんですよね。この辺を飲み込めれば面白い作品だと思います。