天地人:第38回「ふたつの関ヶ原」

家康の軍勢が西に向かったことで、三成の軍勢とぶつかり、天下分け目の大決戦の幕が開きました。両者が激突した場所はご存知のとおり関ヶ原です。しかし同時刻に、奥羽では上杉軍が最上、伊達と戦いを繰り広げていましたので、そちらから取り上げていきます。
兼続は最上との戦いに備えており、自らも出陣しようとしていた景勝をいさめて軍をまとめ、現在の山形県にある長谷堂城まで攻め込みました。しかし長谷堂城の守りは非常に堅固で、なかなか隙を見せません。それに伊達からの援軍も気になります。
こう着状態の中で、景勝が上杉の陣営に到着したとの知らせが入ります。これで味方の士気も上がり、あとは相手の動きを待つことにしました。
そして今回のメインである関ヶ原に移ります。西軍は大谷、宇喜多らの陣を広げ、山の上には毛利、小早川を配置しました。何かあれば山の上から大軍が駆けつける体勢です。
両者ともそれぞれに一進一退の攻防を繰り広げるのですが、西軍はあとひと攻め欲しいところ。三成は今こそ小早川の動く時と思うのですが、その意思は伝わりません。三成は思い切って、小早川の陣まで自ら出向いて説得を試みます。
しかし実は、一足早く東軍からも使者が来ていました。もちろん、寝返るよう言い含めるためです。両軍からの言葉と、眼下に広がる大きな戦にすっかり腰が抜けてしまった秀秋は、なかなか動くことができません。
状況を動かしたのは家康でした。小早川の陣に鉄砲を打ち込んで脅し、その狙い通りに驚いた秀秋は滅茶苦茶に山を下りて西軍に攻めかかります。これが戦の勝敗を分ける決定打になりました。
かくして総崩れになった西軍は本陣まで攻め込むことを許し、福島らが三成の眼前まで迫りました。三成の部下である島は、大将を逃がすために自ら時間稼ぎをし、三成は命からがら逃げ出します。
この情報は、長谷堂城をあと一息まで追い詰めた上杉軍にも伝わります。恐らく最上や伊達がこの情報を手に入れるのも時間の問題と悟った兼続は、やむなく兵を引くことにした…というところで終了。
私は史実の方で上杉の戦いを知らなかったので、今回は面白く観ることができました。ただでさえ大きい戦で、歴史上でもトップクラスの興奮する出来事だと思います。
あとはエピソードの一つとして、徳川秀忠の軍勢を上田で食い止めた真田親子の戦い。「真田十勇士」だったら、ここがエンディングでしょうね。
三成のこれまでの頑張りを見ていると、この「軍勢が思うとおりに動かず大敗」という悔しさがこちらにも伝わってくるようでした。有利な戦いというか、本来なら十分勝てるはずだった戦ですからね。
三成の安否が気になるところですが、上杉の今後にも注目していきたいところです。
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