風林火山：母の遺言

大井夫人が勘助に言葉を託したところからです。
北条氏康はその頃、関東管領の上杉憲政を攻めにかかっていました。いよいよ追い詰められた段になって、家老の長野業政が「長尾景虎を頼るのはどうか」と進言し、息子の竜若丸と、家臣の多くは城に残りました。
勘助は氏康の元を訪れ、武田・今川・北条の三国が手を組むよう打診するためでした。勘助のプランとして、今川の姫を武田の長男に嫁がせ、北条の長男に武田の姫を嫁がせる政略結婚があったのです。
ひとまず、勘助は氏康にすぐさま追い出されるようなことはなく、話をすることができました。
そして、体よく景虎の元へ逃れた憲政ですが、景虎と話をするにつれ、竜若丸が既に亡くなっていることを知ります。それは、家臣たちが氏康に取り入ろうとして、その誠意のつもりで捕らえて差し出したのでした。
氏康は竜若丸に刀を渡し、本懐を遂げさせました。そして裏切り者である上杉の家臣たちの首をはねさせます。北条氏康という人物の大きさが見えるエピソードですね。
ラストでは大井夫人が静かに息を引き取り、晴信が駆けつけたところで終わります。最後まで晴信のことを、そして甲斐の国を心配しながら亡くなった大井夫人の生涯には胸を打たれました。
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