風林火山:関東出兵

四郎が元服し、勝頼となったところからです。勘助の胸の内には、これまで赤ん坊の頃から見守ってきた四郎が立派になったという、暖かい気持ちがこみ上げていたに違いありません。
また勘助は、今後の景虎との戦いに向けて、新たに城を築く考えでした。その城に勝頼を置き、越後勢との戦いで初陣を飾らせたいという思いが勘助にはあったのです。
その景虎の動きですが、いよいよ北条氏康と戦うために挙兵します。これを知った氏康も、武蔵の松本城に入って敵の動きを観察します。氏康は敵の狙いが自分の首であることをわかっていたので、本拠地である小田原城に戻り、全力で迎え撃つ用意を始めました。
そうした動きの中で、景虎は武蔵にある忍城に行き、城主の成田長泰に降伏するよう話をつけに行きます。景虎は、そこで出会った成田の妻である伊勢を、人質として小田原城攻めに同行させます。
最初は3日で城が落ちると侮っていた景虎ですが、堅固な小田原城はそう簡単には崩せず、戦いは長引きます。武田の援軍も足が遅いのですが、氏康は最初から武田をあてにせず、自力で乗り切る構えでした。
ここで面白かったエピソードが、膠着した状態の中で、景虎が一人で北条の本陣近くまで行くのです。そして飛び交う矢の嵐の中で、悠々と杯を傾けます。氏康はその姿を見て、景虎の大物振りを知るのでした。
そして、戦いはまだ決着がつかないものの、景虎は上杉家の家督を継ぎ関東管領となりました。上杉憲政の「政」の字をもらい、ここに「上杉政虎」が誕生したのです。
今回面白かったのは、正義を持って北条を倒すと誓った景虎が徐々に驕り始めるところですね。成田に対する姿勢、上杉憲政への態度もそう。
最後の場面で、馬を下りなかった成田に腹を立てて叩くところも、その表れの一つなのかもしれません。
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