天地人:第10回「二人の養子」

景虎の家臣である柿崎が、景勝の屋敷に夜襲をかけてきたところからです。柿崎は、謙信の遺言を不審に思っていたことで半ば暴走気味に動いてしまったようでした。結局、上田衆が柿崎を討ち取ったことでこの夜は落ち着きます。
上田衆はこの事件を受けて、景虎が景勝を亡き者にしようとしていたのではないか、と強い疑念を抱きます。そんな中、事情を知った景虎が屋敷を訪ねて来て、自分は知らなかったと身の潔白を訴えます。
兼続は「本当に知らないのですね?」と更に念を押しますが、この時少しムッとした景虎には気づかなかった様子でした。しかしプライドの高い景虎は非常に傷ついたようで、自室に帰ると妻に愚痴をこぼします。
それがお船にも伝わり、兼続本人にももたらされます。兼続は景虎をやり込めたかったわけではなく、ああしなければ上田衆の怒りが収まらないという考えの下に行動したのですが、お船は兼続をいさめるのでした。
そんなことがあった翌日、謙信の葬儀が行われました。「四十九年、一酔の夢」と始まる言葉が読まれるのですが、これがどういう謂れのものか聞きそびれてしまいました…。
葬儀が行われた夜は、さすがにどの者も謙信の死を悼んでいるようで静かでした。そんな話をしながら夜道を歩いていた兼続と与七は、足早に通っていく父の惣右衛門に、こっそりと耳打ちされます。
その内容は、今すぐ本丸を押さえろというもの。景虎の家臣が北条に助けを求めた書状を手に入れたことで、景虎に対する疑念が湧いてきたのです。そして本丸には莫大な軍資金があり、景虎に取られては謀反を起こされる恐れがあるという考えに行き着いた、と。
兼続は景勝にこのことを伝えますが、景勝は義兄弟を裏切る真似はできないと突っぱねます。それを更に父に話すと、先に行動を起こしてしまうよう二人に命じます。景勝の説得は自分に任せろと言い残して。
兼続と与七はひとまず本丸を目指します。その途中、上田衆が応援に駆けつけ、彼らは本丸を目指します。途中で景虎の部下と小競り合いを繰り広げますが、首尾よく本丸を押さえることに成功しました。
そして兼続は仙桃院の元に走り、これ以上身内で血を流すのを見たくない、と仲裁に入ってくれるよう懇願します。仙桃院はその意図を汲んで、返事をしかけたその時。本丸を取られたと知って、裏切られたと憤慨する景虎が現れます。
景虎は、上田衆が裏で糸を引いていたと思い込み、その首謀者が兼続だと思っていました。そして切りかかってきたところで終了です。
景勝も景虎も、自らがと言うよりは家臣に突き動かされた感がありましたが、それでも一度動き出してしまったものは止められません。こうして家督争いが激化していくんですね。
この過酷な運命を、景勝と兼続はどのように乗り越えていくのか。まずは、兼続がどのように命の危機を乗り切るかが見ものです。
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