天地人:第13回「潜入!武田の陣」

桑取の軍勢と兵糧を得て、春日山も戦う力を取り戻したところからです。一方の景虎側は北条、武田の軍勢とやり取りを行い、両者は北上して春日山を目指していました。
この情報は景勝の陣営にも伝わり、このままでは二方向から強力な軍勢を相手にしなくてはならない場面に。ひとまず、北条が最初に狙うであろう拠点の上田庄を守るため、家臣の栗林らが決死の覚悟で向かいました。
そうなると春日山に向かう武田軍を何とかするのが陣にいる者の務め。兼続は策を練り続けるのですが、なかなか良い考えが浮かびません。惣右衛門にも、母から受けた紅葉の教えを忘れず、国を守るよう叱咤されます。
そんなある夜、いつものように考えをめぐらせていたところ、与七がふと言った一言をきっかけに、大胆な発想を思いつきます。それは、武田軍と和睦することなのでした。
上杉と武田といえば、先代からの最大の宿敵。当然ながら古くからの家臣は猛反対します。しかし兼続は、何よりも越後の土地と民を守ることが最優先であることを説いて、景勝を説得します。
景勝も、最初は謙信の宿敵との和睦には気が進まなかったのですが、兼続と同じく越後の民を非常に大切にする思いが、遂にこの策を実行させるに至りました。
こうして兼続は自らが使者となり、泉沢、与七と共に武田の陣営に向かいます。通された場所で待つと、やがて高坂弾正が3人の目の前に現れます。
高坂は越後からの使者が来たと言っても好戦的ではなく、話を聞く姿勢を見せました。そして兼続は、現在は武田軍も織田に手を焼いていることを指摘し、和睦をしてもらえるよう説得してこれを高坂も受け入れます。
こうして、かつてない考えで和睦を成功させた兼続ですが、景虎の方にも春日山の脅威となる知らせが届いたところで終了です。
前回の交渉といい、兼続はとかく外交で皆の信頼を得ていった人物なのですよね。それを最も良くわかっているのは、言わずもがなですが主君の景勝。二人とも、国のために出来ることをしたい、という気持ちが同じだからこその共感なのだと思います。
このドラマの最初でも、秀吉と話し合いをするシーンでしたしね。戦わずして人と人とを結びつける、そんな兼続の活躍に今後も期待しましょう。
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