天地人:第21回「三成の涙」

兼続が三成に馬鹿にされ、思わず立ち上がったところからです。三成は言葉を止めようとせず、相変わらず涼しい顔で兼続を怒らせていました。
秀吉はその様子を見かねて、三成を一度外に行くよう命じます。そして自分は、三成の幼少時代について語りだすのでした。三成がかつて寺小姓だった頃、その心配りを見初めて家臣にしたこと。その時に出された握り飯を、涙を流しながら頬張ったことなど。
この話を聞いた兼続は、握り飯を持って三成のところに行きます。そして秀吉が国の民のために天下を取ろうとしていることを聞くのです。兼続はもっともだと思いつつも、友がいないのは寂しいと三成に伝えます。
後日、三成はお忍びで兼続の屋敷を訪ねます。しかし当の兼続は留守で、お船や上田衆が三成の話し相手になっていました。しかし三成はまたも上田衆を怒らせる発言ばかりで、そっぽを向かれてしまいます。
兼続は春日山城におり、ある騒ぎに巻き込まれていました。景勝の妻である菊姫が懐妊したと仙桃院が勘違いしてしまい、誤解であると誰から告げるかで景勝、菊姫と3人で悩んでいたのです。結局、これは景勝が言うことになりましたが日は既に傾いていました。
兼続が屋敷に戻ると、三成が帰ろうとしているところ。兼続もお船も、是非とも一緒に夕食をと誘いますが、三成はなかなかうんと言いません。しかしその直後、兼続を慕って野菜を届けに来た百姓との語らいを見て感じるところがあったらしく、ようやく折れるのでした。
宴では兼続が周囲を一つにまとめようと、自分から半裸になってどじょうすくいを踊り始めます。それを見て上田衆も百姓も踊り始めました。
静まった後、二人きりで話す兼続と三成。三成は、兼続がただの愚か者ではなく、人を思いやる力を持った人物だと認めます。それを聞いた兼続も三成を認め、友の契りを交わしたところで終了です。
今回は秀吉からのエピソードや、最後に思いを改めるシーンで、三成株がぐんと上がりました。ただの冷徹な成り上がり者ではなく、国のことを考え秀吉の天下取りに共感しているという、人物としての裏側が垣間見えたからでしょうね。
それにしても、兼続の役回りはやはりひょうきんもののようで、菊姫の懐妊に関する話を立ち聞きしているところを見つかったり、家老になっても面白担当であるところはぬぐえないようです。
次回は真田幸村が登場するようで、また歴史上の有名人物が兼続の周りを賑わすことになりそうです。
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