天地人:第23回「愛の兜」

景勝が上洛することを秀吉に約束したものの、自分の心の迷いから取りやめたいと言い出し、兼続を驚かせます。もし上洛しなければただでは済まないと思われるので。
兼続はお船の助言を受け、景勝、お船と3人で故郷の上田庄へ行きます。まず一行は、病に臥せっている栗林を訪ねます。栗林は、上洛については行った方が良いと思う、と前置きした上で、それでも上杉の誇りを捨ててはいけないと諭します。
更に、幼少の頃に修行をした雲洞庵を訪れます。和尚はまだまだ元気で、二人を子供の頃のようにからかいます。その様子を見たお船が、いつまで経っても和尚の前では二人とも子供だと笑います。
お船はこの雲洞庵に来たことがないので、二人は昔話をしつつあちこち周ります。そのうち、ある部屋に辿り着いた景勝は、かつて自分が迷っていた時に、ここで与六(兼続)に励まされたことを思い出します。
そこへ和尚がやって来て、少年時代に景勝が書いた「第一義」という掛け軸を見せます。迷いとは何か、ということを和尚から再度教えられ、ようやく景勝の心の迷いは晴れたのでした。
上洛は雪が溶けた5月に決まりました。その頃には景勝用の旗印である「義」の一文字も出来上がり、家臣たちは大いに盛り上がりました。しかし兼続には、一つの悩みがありました。
それは、自分を表現する一文字をどうするか決めかねていたのです。謙信にも「自分の義を見つけよ」と言われたことを思い出し、兼続は頭を悩ませていました。
夜中まで考え抜いて「忠」「信」などたくさんの案を出したところ、兼続の身を案じてやって来たお船が「愛」を目ざとく見つけます。最初は、愛では迫力がないと没にしたものの、お船の「愛」に対する考え方を聞いて納得した兼続。これがなければ今日の自分はなかった、としっくりきた様子です。
上洛の日、景勝は揺るがない自分の決意を家臣たちに伝え、皆の心を一つにまとめます。仙桃院も、立派になった景勝の姿を褒め、「義」「愛」が揃えば恐れるものはないと励まします。
そして、都を目指す大行列の中には「愛」一文字を兜にたたえた兼続の姿があったのでした。
今回は、兼続のみならず景勝の可愛さもありました。雲洞庵のお話ですね。あの微妙に丸め込まれて言い返せない時の様子は、何だか見ていて微笑ましいです。
あと、前からそうなんですが今回は特にお船が大活躍しましたね。よく思うのですが、兼続が上杉の忠臣として色々な働きをした、という面がクローズアップされているのは序盤で、お船と結婚してからはやたらとお船が助言するんですよね。
これは「利家とまつ」みたいに、夫婦として取り上げたかったような気もします。実際は夫婦円満のシンボルとして、ああいう描写が多いのかもしれませんが。
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