天地人:第28回「北の独眼竜」

出産も近づいてきたお船が与板城に戻ってきたところからです。兼続は仕事が忙しく妻に会う機会が全くありませんでしたが、父の惣右衛門が妻の「よし」を連れてお見舞いに来ます。あまりにお船をいたわる惣右衛門にやきもちを焼くよしですが、惣右衛門はお船が歳をとっての初産だから心配していると、トンチンカンな弁解をするのでした。
京都では、秀吉の耳にも東北で急に勢力を伸ばしていた伊達の噂が聞こえていました。東国を平定する難しさを噛み締める秀吉、家康はあてにならないと見切りをつけて上杉に頼ることを考え付きます。強く言い渡された実頼は、春日山城に手紙を送ります。
その手紙の内容は「伊達を討て」というものでしたが、兼続はまず政宗に会って話をすることを景勝に願い出ます。それは、真に戦争をこの世からなくしたいという想いから生まれた感情でした。
かくして上杉の名代として米沢藩に向かった兼続は、自分より7歳も年下の政宗と対峙します。政宗は不敵な目でじろりと兼続を睨みますが、兼続はそれに臆すことなく戦をやめるよう諭します。それは、かつて見た信長の辿ってきた道を辿り、力のみで人の心を掴めないことを伝えたかったからです。
しかし言い方が強くなってしまい、政宗は激昂して刀を取り出します。戦をしにきたのではないと兼続が言っても聞かず、あと少しで斬られてしまうところで、政宗の妻の愛姫の姿が目に入り、刀を下ろします。
この面会が終わってすぐに、兼続には次の仕事が待っていました。それは、内乱が収まらない佐渡に渡り、平定することで金山を開発する目的があったからです。
兼続は河原田城主である豪族「本間高統」を説得し、国のために協力してもらいたいと頭を下げます。その姿に心打たれ、佐渡は平定されました。
各地に要人を置いて地域を統括させるのと同時に、越後から金山発掘の技術と人員を持ち寄り、作業を進める土台が出来たところで、兼続に娘が誕生したとの知らせが入ります。大喜びする兼続、すぐさま越後に戻りたい気持ちになります。
しかしそう甘くはなく、もう一通の手紙が兼続を愕然とさせます。それは、伊達が会津の芦名家を滅ぼしたという内容でした。しかも女子供もなで斬りにする皆殺し。兼続は怒りを抱えて春日山城に戻り、すぐさま守りの兵を配備します。
こうしてひとまずの休息を得た兼続、ようやく与板城に行くことが出来ました。恐る恐るお船のいる部屋に近づき、ようやく自分の娘に対面した兼続。子が出来たと知った時以上に感動し、愛のあるまなざしを送りました。
一方で、家康と通じる北条の怪しい動きがあり、真田領に出兵したという話が秀吉の元にもたらされます。すぐさま三成に北条攻めを命じる秀吉。まだまだ東国は乱世が続きそうだというところで終了です。
とうとうと言うべきか、武勇を馳せる大名の一人である独眼竜政宗の登場です。他の大河ドラマでは立派な武将として描かれることが多かったですが、本作では…というか、初登場の今回は非常に悪人面で残忍という描かれ方をしていました。
一方で、兼続が「親も兄弟も平安に暮らせる世の中を…」と言った時に激昂するなど、何かしら持っていそうです。この辺は史実から兄弟関係を知れば良さそうですが。
それと兼続の子供が娘で、直江家はまた女性になってしまったわけですね。跡継ぎ問題がどうなるかという部分も楽しみにしつつ。
次回はささきいさおが登場するみたいですよ。そちらも楽しみです。
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