天地人:第30回「女たちの上洛」

秀吉による天下統一が成ったところからです。上杉軍は越後に戻り、兼続は待ち望んだ「戦がない平穏」が訪れることに喜びを噛み締めていました。
しかし話はそう簡単には終わりません。秀吉は、各大名の妻を上洛させるように命じていました。それは勿論、景勝の元にも届いており、菊姫を説得しようとしますが頑として受け入れようとしません。ここはお船が代わって説得を試みることになりました。
その間、お船が第2子を生んだりしつつも説得できていないところ、年明けに景勝と兼続には上洛の命が下りました。話題は菊姫のことですが、やはりどうあっても連れて来いという圧力が掛かります。
一方で、兼続は実頼に、利休が監禁されていることを聞かされます。茶の湯で大名をもてなす利休に対し政治的な影響力を懸念した秀吉に、反逆の罪を問われたのです。しかし利休は頭を下げるつもりはなく、もし殺されても茶の湯の心だけは守りたいという強い気持ちを持っていました。
結局、兼続らが会った2日後に切腹の命が下り、利休は命を落とします。娘のお涼は納得できない悔しさを兼続にだけ伝え、兼続もまたその気持ちを共有するのでした。
兼続は三成に詰め寄りますが、今は秀吉だけに全ての大名の力を結束せねばならず、平穏な世のために仕方ないといった答え。情をなくしては本当に平穏な世は作れないと、兼続は警告します。
曇った気持ちで越後に戻った景勝と兼続は、先の話も出して菊姫を説得しますが答えは変わらず。景勝は止むを得ないといった表情で、越後の主としての命令を下します。
菊姫はあまりのことに自室で自害を図るも、景勝を慕う気持ちで歯止めが掛かってしまいます。菊姫の心情を聞いたお船は、自らも共に上洛することを決意します。今は菊姫を支える人が必要で、それは自分しかいないのだと兼続にも話し、理解を得ます。
こうして、夫と子供たちを残して、お船は上洛することになった…というところで終了です。
今回は何と言っても、利休とお船の決意が見えてくるのがポイントです。特に利休は、自らの道を守るためなら死をも厭わないという壮絶なものでしたしね。
秀吉が反逆の芽になりそうなものをどんどん摘み取っていったのだと予想がつきます。大名の妻の上洛もそうですし、今回は語られませんでしたが刀狩などもその類ですよね。
関が原の合戦まではあと9年、この栄華の終わりと、兼続を含めた越後の命運がどうなっていくかに注目していきましょう。
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