ウルトラマニアック:全5巻

著:吉住渉のコミックです。りぼんで連載されていました。アニメも少しだけ観ていたのですが、あまり話を把握しておらず、新鮮な気持ちで読めました。
あらすじは、中学生の「立石亜由」の元に自分のことを魔女っ子だと言う「佐倉仁菜」が現れ、登場人物たちの想いの交錯など日常を描いた作品です。
仁菜は自称の通り、魔法の世界から来た落ちこぼれ生徒。人間界で人を幸せにする魔法を使おうという目標があるのですが、亜由のためを考えた魔法が微妙な結果に終わり、読者の笑いを誘います。
亜由は野球部のエース「架地哲士」に片思いしており、彼が以前に「クールな人が好み」と言ったことでクールキャラを演じてきました。しかし、仁菜の秘密を亜由が知ってからは、徐々に化けの皮が剥がれてきており、加地にもツッコミキャラとして認識されてしまいます。
最初は上記の通り「仁菜が亜由のために魔法を使う→微妙に上手く行かない」という流れの、ドラえもんのような一話完結型の作品だったのですが、段々とストーリーを帯びてきました。
とはいえ、これまで私が触れてきた吉住作品の中では、重苦しい雰囲気には殆どならず、恋人の取り合いとかも割りとぬるい気がします。中学生という年齢を考えれば、まあそうなのかもしれませんが。
ネタバレになってしまいますが、この作品では亜由の恋愛は初期に上手くいってしまいます。仁菜は最後まで色々と悩むことになるので、読んでいてそこが意外と言えば意外でした。
主要登場人物は、全5巻というボリュームにしては多いと思いますが、女性キャラの掘り下げはそこそこに出来ていたかと思います。逆に男性は、あまり深い話がでてきませんでしたね。ミステリアスな辻合など、メインどころなのに背景が殆ど明らかにならなかった人もいたりして。
亜由と仁菜が無茶したり恋したり、といった日常を楽しめる作品だと思います。読後に引きずらない感触ですね。